キセキの始まり
□7Q
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IH予選トーナメント最終日。男女共に苦戦しながらも、IH予選決勝リーグへと駒を進めた誠凛高校であった。
・・・だが、
それぞれのクラスで爆睡・転寝をするバスケ部員。
ただし、レイとリコを除く。
キーンコーンカーンコーン。
「明後日は一日実力テストをやるからな。ちゃんと全教科復習しとけよー」
波乱は突然やってきた。
放課後。
今日の練習は休養のため無しとなっていたが、何故か監督であるリコからのメールで呼び出された一年生組。
「・・・ったく。いつも急になんなんだよ。あの監督は」
前回の朝礼の件でこっぴどく先生からの説教を受けた火神は少なからず根に持っていた。
「中間テスト、全部持ってこいとか・・・。また、妙なこと考えてんじゃねーだろーな」
「むしろ、すごく当然のことが起きそうな気がするんですけど」
黒子の視線は火神のもつテストに向けられていた。
が、火神はそれに気づくことはなかった。
「というか、銀どこ行った?」
「ちょっと職員室に行く用事があるみたいで」
「おう。火神ー」
だりー、という雰囲気で指定された体育館に向かっていると、最近聞きなれた声に呼び止められた。
「常磐!!に、降旗と、河原・・・と・・・福田!!」
「やっと名前覚えたなー」
「なんで、常磐の名前だけは覚えんの早かったんだろーな」
「それはお約束だろ。降旗」
「それもそうか」
そんな会話を一年三人組が後ろでしているとも知らずに、常磐は火神に話しかけた。
「それより、持ってきた?テスト」
「ああ」
「てか、なんで今なんだろ?赤点取るとIH行けないとか、聞いたことあるけど・・・。まだ、気が早くね?」
「実力テストって、成績には関係ねぇんだろ?」
「え?そうなの?」
「じゃあ、マジで問題ねぇじゃん!練習した方がいいだろー?筋肉痛ヤベーけど・・・」
「僕も練習してー。あ、帰りこのメンバーで3on3とかしね?」
「あ、それいいな!」
そんな感じで駄弁りながら、6人組で体育館に向かっていたバスケ部一年組であった。