キセキの始まり

□4Q
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「いやいや大丈夫じゃないから!問題ありまくりだから!落ち込まないでぇ!!」

「いやいやいや、落ち込んでなんかない」

「いやいやいやいや、すっごい沈んでるよね。なーちゃんが言ったことは正しいよ!正論だから、落ち込まないの!」
 

えーと、確か誠凛のマネージャーさん達だっけ?

てか、眼鏡の人背高っ。

しかも、さっきの、美人だから余計に迫力ありすぎ。

ここは野球部の人たちが後片付けしてくれるみたいだけど・・・。


「緑間っち。大丈夫っスか?」

「あ・・・あぁ」
 

大丈夫、じゃないかもしんないスね。

なんせ、ラッキーアイテム壊れちゃったんだし。

緑間っち、今日東京に帰れるかな。



しょうがない。


「あの!すみません。どちらか、カエルのおもちゃ・・・、ストラップとか持ってないっスか?」



「「カエル?」」
 


そーっスよね。

普通、そういう反応なんだよねー。


「あの、この眼鏡の、彼。かなりのおは朝信者で、占いで言われるその日のラッキーアイテム持ってないと精神状態がかなりやばくなっちゃうん
「黄瀬、誰がやばくなるのだよ!」
・・・・・・実際、そうじゃないっスかぁ!」
 

なんで、俺が怒られてるんスか!?

俺は緑間っちのために人肌脱ごうと・・・。


「カエルのストラップなら、あるが・・・」
 

ナイス!

眼鏡の人。


「・・・・・・いえ、初対面の方に借りるのは」
 

なんで謙虚なんスか。

いつもの自己チューで不遜な態度はどこに。


「その制服、秀徳高校だろ?私は誠凛だから、近いし、返すのはいつでもかまわないから」
 

そう言って、眼鏡の三つ編み美人さんはガラケーについてたカエルのストラップを緑間っちに半ば無理やり握らせた。

おっとこまえっスね。

しかも、そのガラケーかなり古いタイプのやつじゃないスか。

しかも、ほとんど新品みたいだし。

すげぇ、物大切にしてんだなぁ。


「い、いいんですか?」

「あぁ、構わない。怪我しないように、帰れよ」

「・・・はい」
 

あれ?

大切そうにストラップを握り締める緑間っちの顔、ちょっと赤くない?

え、まさか・・・。

緑間っち、眼鏡美人さんにフォーリンラブ!?

・・・な、訳ないか。

美人だけど怒るとかなり怖かったし。


「なら、なーちゃん。彼とメアド交換してたほうがよくない?日時とか、連絡できるように」

「それも、そうだな。これに私のメアドが記してある。君に時間があるときでいいから、送ってほしい」
 

赤外線じゃなくて、メモ帳っスか。

しかも、メモ帳もカエル・・・。

どんだけ、カエル好きなんスか。


「重ね重ねすみません。ありがとうございます」
 

おぉ、緑間っちが素直で礼儀正しい。


「じゃあな」

「じゃーねー。また、男子が公式戦で当たるときにはよろしくー」
 

テンションとか性格が真逆そうな二人が校門へと歩いていく。

それをじっと見つめる緑間っち。

その手には大切そうに握られたストラップとメモ帳。

え、まさか。

マジ!?





「緑間っち。まさか、あの眼鏡の人に惚れちゃった?」
 

俺の気のせいっスよね〜。


「そ、そんな訳ないのだよ!」
 

緑間っち。

かなり、顔赤いっスよ。
 


新春とは言えないけど。

多分、緑間っちに初めての春が訪れました。

後で、『キセキの世代』と桃っちにメールしなきゃ!大事件っス!
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