キセキの始まり

□3Q
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あ、やっと黄瀬のやつ気づいてもらえたんだ。

マジで痛かったな〜。

あれで、モデルってのがウケる。

しかも、黒子にも相手にされてないし。


「常磐さん!」

「はーい。ごめんね、また今度相手してもらえない?」
 

口説いてた女の子達に許可を得てから、先輩達の元に向かう僕。

やっぱ、女の子っていいよね。


「何スか?リコ先輩〜」

「何?じゃないわよ。何で、海常の黄瀬涼太がここにいるの?」

「何か、黒子に会いに来たみたいですよ。あと、勧誘?」

「勧誘って・・・」
 

バチィ!!


「っと!?」

「おー。反射神経は上々」

「った〜。ちょ・・・、何?」
 

火神が投げたボールを黒子と駄弁っていた黄瀬が取りやがった。

そのまま顔面に当たったら、おもしろそーなのに。


「せっかくの再会中ワリーな。けど、せっかく来てアイサツだけもねーだろ。ちょっと相手してくれよ。イケメン君」
 

ソレ挑発になってないし。

やっぱ、火神ウケる。

桔梗先輩が目をつけるわけじゃん。

単純で、馬鹿だ。


「火神!?」

「火神君!!」

「え〜、そんな急に言われても・・・。あーでも、君さっき・・・。ん〜」
 

“さっき”?

火神のあの、フルドライブ→高速ロール→ワンハンドダンク?中々のキレだったけど・・・。

あれもコピーできんの?


「よし、やろっか!いいもん見せてくれたお礼」

「・・・・・・!」


黒子の顔からしてマジでできんのか。

さすが『キセキの世代』。

伊達じゃねぇわな。


「・・・っもう!」

「マズイかもしれません」

「え?」

「彼は見たプレイを一瞬で自分のものにする」

「・・・なっ!?」

「知らなかったんですか?先輩」

「常磐さんは知ってたの!?」

「照栄中だったもので。・・・全中で男子が黄瀬にやられてるとこも見てましたし。だけど・・・」
 

去年はここまでじゃなかった。

キレがパなすぎ。

明らかに、さっきの火神ver.の倍じゃんかよ。


「うおっ。火神もスゲェ!!反応した!?」
 

できてねぇって。これは・・・次の海常戦、勝てねぇかもな。


「がっ・・・!?」
 

黄瀬にパワー負けした火神が尻餅をついた。

てか、・・・ダンクってやっぱスゲーな。

僕もやりたいけど、身長的にできねーし。

こういう時、女子って損だな。
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