キセキの始まり
□3Q
3ページ/14ページ
あ、やっと黄瀬のやつ気づいてもらえたんだ。
マジで痛かったな〜。
あれで、モデルってのがウケる。
しかも、黒子にも相手にされてないし。
「常磐さん!」
「はーい。ごめんね、また今度相手してもらえない?」
口説いてた女の子達に許可を得てから、先輩達の元に向かう僕。
やっぱ、女の子っていいよね。
「何スか?リコ先輩〜」
「何?じゃないわよ。何で、海常の黄瀬涼太がここにいるの?」
「何か、黒子に会いに来たみたいですよ。あと、勧誘?」
「勧誘って・・・」
バチィ!!
「っと!?」
「おー。反射神経は上々」
「った〜。ちょ・・・、何?」
火神が投げたボールを黒子と駄弁っていた黄瀬が取りやがった。
そのまま顔面に当たったら、おもしろそーなのに。
「せっかくの再会中ワリーな。けど、せっかく来てアイサツだけもねーだろ。ちょっと相手してくれよ。イケメン君」
ソレ挑発になってないし。
やっぱ、火神ウケる。
桔梗先輩が目をつけるわけじゃん。
単純で、馬鹿だ。
「火神!?」
「火神君!!」
「え〜、そんな急に言われても・・・。あーでも、君さっき・・・。ん〜」
“さっき”?
火神のあの、フルドライブ→高速ロール→ワンハンドダンク?中々のキレだったけど・・・。
あれもコピーできんの?
「よし、やろっか!いいもん見せてくれたお礼」
「・・・・・・!」
黒子の顔からしてマジでできんのか。
さすが『キセキの世代』。
伊達じゃねぇわな。
「・・・っもう!」
「マズイかもしれません」
「え?」
「彼は見たプレイを一瞬で自分のものにする」
「・・・なっ!?」
「知らなかったんですか?先輩」
「常磐さんは知ってたの!?」
「照栄中だったもので。・・・全中で男子が黄瀬にやられてるとこも見てましたし。だけど・・・」
去年はここまでじゃなかった。
キレがパなすぎ。
明らかに、さっきの火神ver.の倍じゃんかよ。
「うおっ。火神もスゲェ!!反応した!?」
できてねぇって。これは・・・次の海常戦、勝てねぇかもな。
「がっ・・・!?」
黄瀬にパワー負けした火神が尻餅をついた。
てか、・・・ダンクってやっぱスゲーな。
僕もやりたいけど、身長的にできねーし。
こういう時、女子って損だな。