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□殺せないのは惚れた弱み
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●これはボカロ、悪ノ娘のパロっぽくなっておりちょくちょく似てるところがあります
そして、死ネタのため苦手な方はバックをしてください。それでもいいという方はどうぞ




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昔々、あるところに悪逆非道の王国があった。そこの頂点に君臨するのはまだ20歳にも満たない王、アマイモン。彼はメフィスト郷の王族で彼が幼い頃に兄を失い。この若さで王になったのだ。しかし彼の性格は我が儘で自己中なうえ強欲で目を背けたくなるほどの残忍な男なのだ。そんな非道な性格から国民からは『地の悪魔』と呼ばれていた


「廉造はどこにいるんですか?…廉造!」


「…はい…」


けれども、彼は悪魔と呼ばれようともやはり人間なのだ、そして彼は隣の国の姫に恋をした。名は志摩廉造。しかし彼女にはもう奥村燐という婚約者がいたのだ。だが、アマイモンは我が儘で強欲な性格、だから燐の国を滅ぼし燐を人質としてとり廉造をこちらの婚約者として向かい入れたのだ


「あなたにこれをあげます。だから喜びなさい」


「…ありがとうございます…アマイモンさん」


目の前にだされたのは10カラット以上のダイヤモンドがちりばめられたネックレスで真ん中にはピンクのアメジストが光っている。普通の女性なら大層喜ぶだろう。けれど志摩は喜ぶ事はできなかった。彼は愛しき婚約者の国を滅ぼし幾多の罪のない人を殺しそして自分婚約者を地下牢に閉じ込めている程に残忍な人だから


「嬉しいなら何故笑わないのですか?…明後日は僕の誕生日です。そして君との結婚式の日です。もっと喜びなさい」


「……嬉しいです!!すんごく…でも嬉しくて涙が出てきましたわ…アマイモンさんにこんな顔見せれないさかい…部屋に帰らせていただきますわ」


志摩は笑いたくもないのに笑みを浮かべれば途切れずに流れる涙を拭いながら部屋へと戻った。


「…ぐすっ…嫌や…結婚やなんて…」


志摩はドアの前で縮こまった。ふと辺りをみれば部屋の物は全て絢爛豪華な物ばかりで自分の私物など一切なかった


「お父や柔兄達に会いたいわ…」


あの時、結婚式なんかしなければ彼にも捕まるはずもなかったし、燐だって牢屋に入れられる事も国民が殺される事もなかったのに……


「全部うちが悪いんやんか…」


考えれば考える程に自分への後悔と犯した罪ばかりが増えて重く自分にのしかかる。


「死んでしまいたい…」


こんな自分がいたからこんなことになったんだ
そんな自分なんか死んで消えてしまえばいいのに


「志摩様…杜山です…失礼しますね…志摩様?どうされたんですか」


こんこんとドアを叩く音が聞こえてこの城に使えている使用人の杜山しえみが入って来た


「しえみちゃん…ううん…ゴミが目に入っただけやから気にせんといて…それでなんかうちに用なん?」


「…あっはい、アマイモン様から志摩様にブリオッシュをと…今日あまり夕食をとられてなかったので夜食をとられるように言われました」


「おおきに…そこ置いといてや」


「…はい…あの…志摩様…」


「ん?なんや?」


「無理しないで…下さいね…では、おやすみなさい」


そう言っては出ていくしえみ、そんな彼女を見ては志摩は乾いた笑みを浮かべた


「無理しないでか…うちどれだけ酷い顔してたんやろうか…」


志摩はベッドに寝転がり彼女の言葉を思い出す
しかし辛くなるばかりで志摩は考えるのをやめて睡魔に身を委ねるのだった




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