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□D
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今日はすごく調子が悪かった。朝から頭がガンガンして気分が悪い。それに今日は最悪にも女の子の日で量が多くお腹も痛かった
けれどそんな事で休んではいられない。それは昨日、担任に赤点ぎりぎりのテストの点数をずっととっていたためにこのままではかなりヤバいと忠告されたばかりだったから。
そのため俺はいつもの事だと安易に考えて痛み止めの薬を飲み気分が悪いのに奥村君に呼ばれそのまま学校へと向かった
「志摩…顔色悪いで」
「そうですよ…帰った方がええんやないですか?」
「…大丈夫やから…」
机にうなだれる俺に心配をしてくる坊達。そんな坊達にへらりと笑ってはあまり心配をかけないように二人を見た
「でも…なら保健室で休んだらどうや?」
「理由が生理痛なんて言えへんですし…それに今日は一番量が多いんや…シーツにでも付けてもうたら言い訳できまへんし」
「…でも、休むくらいでしたら…」
「大丈夫ですから…坊も子猫丸はんも心配かけてほんまにすんません…」
と心配する二人に大丈夫と無理に笑っては俺は二人を渋々席へとつかせた
そして激痛の中、授業の始まる鐘が鳴り響いた
「それじゃぁ、今日は体力をつける為にグラウンド10周をする!!」
「えぇーっ…先生それは鬼畜過ぎじゃ…」
「先生は君らが怪我をしないためにやるんだ!ほらほら、さっさと動いた!!5分後にグラウンドに集まるように」
と言っては去っていく先生。残された生徒達からは『マジだりぃ〜』、『やる気しねぇ…』と口々に愚痴が聞こえてくる
「…志摩…今日授業休んだらどうや?」
「うん…けど、次はもう昼休みやし…できるとこまでやってみますわ」
「いや…志摩さん無理はしないほうがいいですよ」
「そや、俺が先生に言ってきてやるさかい今日は休めや」
「うん……」
二人の自分を心配する言葉に断る事も出来ず、俺は坊に手を引かれて半ば強引に体育を休む事になった。
「それじゃぁ、グラウンド10周開始!!」
体育の先生の声が聞こえる。俺は芝生の上に座り遠くで走る坊達を見た。
「…相変わらず坊は一番やなぁ…」
なんて思いながら日なたで坊の姿を見ていたらお腹の痛みも少し安らいできた
「これなら…何とか今日は切り抜けられそうやな…」
しばらくして集合の笛が鳴り響き俺は立ち上がりそこに行こうとしたした瞬間、立ちくらみがし俺はそのまま足取りが覚束ずに地面へと倒れそうになった。
地面の硬さと痛みを覚悟に咄嗟に目をつぶったが、感じたのは地面の硬さや痛みでもなく柔らかいが、がっしりとした誰かの腕の中。
俺はゆっくりと目を開いた
「たくっ…見てて危なっかしかったぜ」
「奥村君何時からいたんや…」
「お前、今日なんか調子悪そうだったから朝から見張ってたんだよ」
「へ?…全然気付かんかった…でも、ありがとうございます…おかげで怪我せぇへんかったわ」
と俺は奥村君に礼を言って奥村君の腕から抜けようとするればいきなり奥村君に両脚を持ち上げられ、所謂、お姫様だっこをされた
「ちょおっ…!?…奥村君何すんや…恥ずかしいって」
「おまっ…暴れんな!!…今すぐに静かにしねぇと目の前できっついべロチューすんぞ」
「それだけは勘弁してください…」
奥村君の本気の眼差しに俺は抵抗をやめておとなしく奥村君の腕の中へと収まった
「先生ー!志摩君がかなり気分が悪いようなんで保健室連れていきます」
「おー…悪いな、奥村!」
と言う先生にさっきの一部始終を見てなかったのかよと俺はは思いながら奥村君にお姫様だっこをされたまま保健室へと連れていかれるのだった。
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