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□だからやめられない
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「あらっ?奥村君、どないしたん?」


白い白衣を翻して志摩は目の前の生徒に微笑んだ。

時刻は丁度10時を過ぎた頃、普通ならとっくにチャイムが鳴って生徒達が次の授業を受けているはずなのだが彼だけは違った


「…喧嘩した……」


と患者用の丸い椅子に腰掛ける少年。前髪で隠れてわからなかったが額には殴られ内出血をした痕と傷が残っていた


「また派手にやらかしたやなぁ」


内出血で青紫色に変色した額を見て志摩はため息を零した。
志摩がこの生徒の怪我の手当てをするのは初めてではない
むしろ、一ヶ月に5回ほど来ては手当てをしている


「別に…今日は調子でなかっただけだ」


志摩の呆れ顔にふて腐れそっぽを向くこの生徒はいわゆる不良少年と言う奴で何かしらと問題を多く起こす問題児。名前は奥村燐という。
彼は学校きっての不良者で教師でさえ怖くて彼には近づけないほど恐れられていた


「…喧嘩もええけど…程々にしときぃや…せっかく格好ええ顔に痣でも残ったらどないするんや」


しかし、そんな彼も唯一心を許したのがこの学校で保健士を勤める志摩廉造だった
燐にとっては志摩は一目惚れの相手だったらしくお互い男同士ながらもいまだに猛アタックをしている


「ちょっと滲みるで」


消毒液を脱脂綿に染み込ませ怪我をした額に優しくふく


「いてっ…!?」


チクっとした傷の痛みに顔をしかめる燐に志摩はクスクスと笑みを浮かべてその脱脂綿をごみ箱へと捨てた


「なに笑ってんだよ」


「喧嘩してそないに痛々しい怪我してもケロッとしとるのにこんなかすり傷みたいな傷触っただけで痛がるんやもん…奥村君可愛いなぁって思ったんですわ」


「…うるせっ…」


志摩の言葉に頬を赤らめてそっぽを向く燐。志摩はそんな燐をからかうかのように笑えばガーゼとテープで額の怪我を覆った


「はい、できたで…でもただの応急処置やからちゃんと病院行くんやで」


「あぁ…サンキュー…あとさ志摩」


「ん?…なんですの?」


「告白の答え…聞かせてくれねぇか?」


燐は立ち上がれば椅子に座っている志摩へとゆっくりと顔を近づけ真面目な顔でそう言った


「ええよ……けどごめんなさい…君は俺なんかよりもっとええ子がいっぱいいるんやから…」


またフラれた…燐は志摩に8回も告白をしてはフラれていた。そして志摩も決して燐の告白に首を縦にふることはなかったのだ。その結果に燐はなにもいわず志摩から離れればドアへと向かう


「…気になってたことも聞けたし、俺行くわ…傷の手当てありがとうな」


と保健室のドアに手をかけて燐は志摩にそう言った。


「うん…あっ…ちょっと待ってや」


「…ん?…なんだっ…!?」


チュッと軽いリップ音とともに額には柔らかいものが当たった


「怪我が早く治るおまじないどすえ…また来てな…奥村君」


「…あぁ…また来てやるよ」


ふんわりとした笑みを堪えず続ける志摩に燐も笑みを返せば頷き保健室を出て行った



「馬鹿野郎…あんなことされたら益々あんたのこと諦められなくなるだろ…」


壁に寄り掛かり額を触った。そしてさっきの志摩の唇の感触を思い出せば頬が熱くなり心臓がドキドキと鼓動をうつのがわかる


「絶対、俺のもんにしてやる」


燐はそう呟けば次はどんな怪我をして保健室へと行こうかと考えながら燐は一人口元を緩ませるのだった


















君が嫌ならいっそのこと













きっぱりと突き放してくれればいいのに…





























それなのに、君は僕を期待させるような事をしてくるから…



























僕だって諦めがつかないよ…













だから、こんな関係やめられない















【燐廉になってるのか;;これ…】
 

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