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□C
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「おはようございます。志摩さん!珍しいですね志摩さんが5分前に学校に着くなんて」

「おはようさん、そやな…いつもなら鐘がなると同時に滑り込みで入ってくるんやから」

「おはようございます。子猫はんに坊…酷いですわ二人共…俺がいつも遅刻ぎりぎりの常習犯みたいな言い方しはりはって」

「「だってそうやろ/ですよね?」」


…うぅっ…二人共そないにはっきりと言わなくてもええんとちゃうの…アカンやわ…二人のせいで志摩さん立ち直れなくなったわ…

「そういえば今日、体育でバレーをやるみたいですよ」

泣きそうになりながらもいじけたように机に伏せる俺よそに子猫丸は口を開いた

「ほんまか!それは楽しみやな…ってどうしたんや志摩そないな不機嫌な顔して」

「別になんでもないですわ」

ふて腐れたように頬を膨らませてそっぽを向く俺に何を怒ってるんやとガシガシと頭を撫でてきた

「そういえばお昼はどこで食べましょうか?また、屋上しします?」

「そうやな…志摩は何処がええ?」

「え…あっ…俺、お昼は用事あるんですわ…すんまへん」

「そうですか…ならお昼は坊と二人きりなんやね」

「あっ…あぁ…そうやね…」

と子猫丸の言葉に坊は頷いた

お昼、俺は弁当を片手に生徒会室へと足を運ばせた

「奥村君来たで…」

「よぉ廉造…やっと来たか…待ってたんだぜ」

目の前には大量の弁当と共に奥村の姿があった

「そのお弁当って全部奥村君のなん?」

「そうだけど…こん中によく毒とか針とか入れてる奴もいるからよ…食えねぇんだよ…ほらこっちこいよ」

「うん……」

奥村君に言われたように隣に座れば奥村君は机いっぱいにおかずやおにぎり等の入った重箱を拡げた

「うわっ…豪華やね…奥村君のお弁当」

「あぁ…食ってもいいぜ」

「ええの?…でも俺お弁当あるし…」

「その弁当なら雪男にでも食わせるから食えよ」

「…う…うん…じゃぁいただきます」

奥村君に半ば強引に説得され俺は持っていた弁当を奥村君に渡して箸を持ち卵焼きをとり一口食べた

「美味い…めっちゃ美味いやん」

「そうか!!喜んでくれてうれしいぜ」

「…奥村君のお母さんほんまに料理上手いんやね」

「ちげーよ?それ母さんが作ってねぇから」

「えっ?なら誰なん?」
「お手伝いさんとか?」

「いや、俺が作った」

「へぇ…凄いやん……………えぇぇぇぇっ!?」

奥村君の言葉に俺は危うく持っていたおにぎりを落としそうになった



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