Book

□ポッキー
1ページ/1ページ



「志摩どないしたんや?ポッキー持って走り回ったりして」

さっきからせわしなくポッキーを片手に走り回る志摩に勝呂は今までやっていた塾の宿題の手を止め、勝呂は志摩に問い掛けた


「なんでって今日はポッキーの日どすえ、だから女の子にポッキー配っとるんですわ」

ニコニコと笑い幸せそうに言う志摩の言葉にふと黒板にかかれた日付に目線を向ければそこには11月11日と書かれてあった。

もうそんな時期になのかと思っていればスパーンっと大きな音を立てて戸を開けては燐が入ってきた


「志摩!ポッキーゲームしようぜ」

入ってきて早々志摩にそう言ってきた燐に勝呂は目を見張った

はぁ?こいつ何言っとるねん

「ポッキーゲーム?…ええよ…けどもう最後の一本しかあらへんよ」

いやいや、志摩も何OKしとるんや

「最後の一本か…まっいっか…ほら、志摩んーっ」

一本しかないポッキーの端を口にくわえては志摩に振り向く燐に勝呂は固まり、宿題をすることさえも忘れてしまうほどに唖然としてしまった

「ならいくでー!!」

と志摩がポッキーの端っこをくわえようとした途端その行動は誰かの手によって阻止された


「志摩君なに楽しそうな事しようとしてんですか」

「雪男っ!」

「若先生…何ってポッキーゲームどすえ」

「ポッキーゲームですか…志摩君、僕とポッキーゲームしませんか?」

「えっと…ええですけどポッキーが一本しか…」

「ふざけんなっ!!志摩は俺とポッキーゲームすんだよ!!」

「兄さんいたの?」

「てめぇっ!!」


なにあそこで兄弟喧嘩しとるんや…てか、授業はどうなっとるねん!もう休み時間過ぎとるやろ


「ちょっと…もうええ加減授業時間過ぎと……」


バリーンと激しい音とともに窓ガラスが割れて勝呂の声を掻き消した


「志摩廉造、僕とポッキーゲームをしなければ殺しますよ」

ガラスが割れるのと同時に聞こえてきたのは地の王アマイモンの声だった


「げっ!?アマイモンてめぇなんで此処にいんだよ」

あーぁ…また余計なの増えたで…もうどうでもええから頼むから静かに授業してくれへんやろうか…

「確か結界が張ってあったはずじゃ…」

「そんなもん僕には通用しません…ほら、志摩廉造ポッキーをあげるので僕とポッキーゲームを…」

「えっ…あっ…ちょぉっ…んぅ!?」

アマイモンのせいで遠の昔に治った肋がなぜだか痛むも気にもせずにアマイモンは志摩の胸倉を掴み持っていたポッキーを無理矢理にくわえさせた


「てめぇ!!俺の志摩に何しやがるんだ!!!」


「兄さんの志摩君でないけど志摩君から手を離した方がいいですよ」

燐は青い炎をだし、雪男は拳銃を懐から取り出した。

「嫌です、志摩廉造は僕の婚約者です。それに今、邪魔をすれば彼を殺します」

「…っ…ひぃっ!?」


怖くてガチガチに固まる志摩の首を掴んでは脅すかのように燐達に見せれば二人は舌打ちをしながら青い炎を消し雪男は拳銃を懐にしまった

「志摩廉造…ポッキーを途中で折ったら折った分だけ貴方の肋骨を折りますから」

「…なっ…!?」

アマイモンの言葉に異様にも志摩に緊張が走った。たかがゲームで途中でポッキーを折ればいいかと思っていた安易な考えが見事に見透かされたのだ

「それじゃぁ行きます…」

アマイモンがポッキーの端っこをくわえようと口を開けた時…

「馬鹿者っ!!!」

後ろからまたもや聞き慣れた声に木の棒で殴ったような鈍い音が鳴り響いた

「メフィスト!!なんでお前もいんだよ」

「いや、この馬鹿弟…じゃなかったこの悪魔が学校をうろついてると聞いて来ただけなんだが…全く…目を離せばすぐこれなんだから…それによりによって志摩君のファーストキスまで奪おうとして」


ブツブツと独り言のように呟きながら殴られた衝撃で頭から煙をだして気絶しているアマイモンの首根っこを掴んではメフィストは何処かへと去って行った

残されたのは割れた窓ガラスと静かになったクラスの生徒らに腰を抜かし立てない志摩の姿

「結局、あいつら何しにきたんだよ」

「さぁ…さてと兄さん志摩君とのポッキーゲームの争いはまだ決着がついてないよ」

「そうだったな!!雪男お前には絶対に譲らねぇから……」

『奥村雪男先生と奥村燐理事長がお呼びでございます。いますぐに来なければ罰として一年間放課後に校内のすべての掃除をしてもらうといっております。繰り返しお伝えします…』


「「はぁぁぁっ!??」」
「あいつ何考えてんだよ」

「それよりも兄さん早く行かなきゃ本当に校内掃除になるよ」

「たくっ…面倒くせぇな」

バタバタと教室から出ていく二人。急にクラスがしーんと静まりかえるも授業が終ったために次々と教室を去っていく生徒達、そんな中未だに立てない志摩に手を差し延べたのは勝呂だった

「大丈夫か志摩?」

「坊…怖かったんやで」

勝呂の差し延べてきた手を引っ張り抱き着いてはわんわんと泣く志摩

「そうか…泣くなやアホでも怪我しなくてなによりや」

「ぐすっ…おんっ…そや坊ポッキーゲームしよや最後の一本持ってるさかい」

「へっ?…まぁええけど…」

「なら、行くで」

涙を拭って最後の一本のポッキーの端をくわえる志摩、それにドキドキと緊張しながらポッキーをくわえる勝呂

ポリポリと噛む音がすごく耳に響くゆっくりと近づいてくる志摩の顔

緊張しながらも後少しで志摩の唇が触れそうになった時

「てめぇ…勝呂…何一人だけ抜け駆けしてんだよ」

「そうですよ…僕だって志摩君とポッキーゲームしたかったのに」

ふと後ろを向けば物凄い怖い顔をして青い炎をだしている燐と拳銃を構える雪男の姿

「…なっ!?…なんやねんお前ら!!ちょぉっ…落ち着けやドアホ」

「「問答無用だ!!/です!!」」


「ぎゃぁぁぁ!!!!」




それから勝呂は5時間奥村兄弟から逃げ回った挙げ句、全治二ヶ月の怪我をおったのだった。


















おまけ

勝呂が奥村兄弟にめった打ちにされるなか志摩はと言うと…

「あんたも大変ねいろんな人にモテるのも」


「出雲ちゃんに杜山さんやん」


「志摩さんってスッゴく男子にモテモテだよね」


「男にモテても嬉しゅうないですわ…モテるんやったらやっぱり出雲ちゃんや杜山さんみたいな可愛い子がええわ」


「ば、馬っ鹿じゃないの!!!」


「クスクス…」


「何笑ってんのよ」


「だって出雲ちゃん、顔真っ赤なんだもん」


「なっ…あんたまでからかわないでよ馬鹿!!」


頬を真っ赤にしながら図星なのか去っていく出雲、その後を待ってとついていくしえみ。ふと出雲が志摩の方へと振り返った


「勘違いすんじゃないわよ…けど、あんたの事…き、嫌いじゃないわよ」



「ふふっ…おおきに」















【はーいポッキーの日!ポッキーゲーム!でもなぜだか全然話が最後のほうポッキー関係なくなっているという…

そして坊の使い方を間違えているという…全国の坊ファンの方ごめんなさい…
残念な坊が大好きなんですよ…そしてちょっぴり小悪魔な志摩も好きですでも決して●ッチじゃありませんよ!!
みんなを魅了してるだけなんだからね←

ぐだぐだながったらしくてごめんなさい…では、楽しいポッキーの日を過ごしてくださいね】

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ