Book
□B
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目が覚めた。目に映るのは見慣れた天井、辺りを見れば何時もの自分の部屋
昨日はどうやって家に帰ってきたかわからない…記憶がないのだ
ゆっくりと起き上がり昨日の事を思い出す…確か…奥村君に送ってもらって……
その途端に頬に熱が集中するのと同時に忘れかけてた昨日の事を思い出してしまった。そして彼への怒りまでもが蘇った
最低な奴…
しばらくの間、彼の事を思い出しては怒り狂うもふと、時計を見ればいつもより10分も遅い起床。完璧に寝坊したと廉造は慌ててベッドから降りては立ち上がった
「やばっ…遅刻してまうわ」
クローゼットにかけていた制服をとり着替えをしようと服を脱ごうとパジャマに手をかけた時だった
「おーい廉造友達が来て…」
「ぎゃぁぁ!!…ノックなしに人の部屋入ってくんなやドアホ!!」
いきなり入ってきた金造に偶然にも持っていた携帯を反射的に金造へと投げつけた。廉造によって投げられた携帯は金造の顔にクリーンヒットし金造は鼻を抑えた
「ドアホはどっちや!!!わざわざ友達来たって教えにきてやったのに」
「はぁ!?…でも普通ならドアのノックぐらいしますー!!」
「てめぇ…朝っぱらからいい気になりやがって…ぼはぁっ!?」
「廉造ー朝食とお弁当できとるからはよ降りてきなや!遅刻するで」
金造は廉造の態度に腹が立ち睨みつけパンチでも一発おみまいしてやろうとするもその願いは入ってきたエプロン姿の柔造のドアに頭をぶつけ呆気なく砕け散ったのだった
「おおきに…今行く」
「それより金造見いひんかった?おらんのや」
「あー…知らんわ…トイレに閉じこもっとるんとちゃうの」
「そうか…あと友達来とるさかいはやくな」
「はーい」
それだけを言えば階段を降りていく柔造の足音を聞きながらサラシを巻いてはワイシャツに手を通す
「れーんーぞー」
ドアの後ろから鼻を真っ赤にしてかなりの険悪な顔の金造が出てきた
「うわっ…極悪人みたいな顔!!」
「誰のせいやと思っとるねん!!」
「でもあそこで柔兄にドアの後ろにいるなんて言ったら金兄やって嫌やろ?」
「…う…まぁ…」
「そやろ?なら俺に感謝しなや!!やからはよ部屋から出てって」
「でもなんか…腹立つわ…」
丸め込まれたみたいやとぶつぶつ言いながらも部屋から出ていく金造、志摩はそれを見ればドアを閉める。そして着替え途中だったズボンをはき軽く髪をとかしては階段を降りてリビングへと向かった
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