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「お前…俺と付き合えよ」



「はっ?……」






自分の目の前にいるのは学園のアイドルとも言える美青年奥村燐君
その彼に放課後体育館裏に呼び出され今、自分は彼に告白をされたのだ


自分は彼の告白に頭が真っ白になった。だって自分の知っている範囲では彼とは何度か廊下をすれ違っただけやし、数回しか会ったことあらへんのやから…それなのにいきなりの告白だ…誰やって驚いてパニックになるだろう



「でも…俺、男やし」


「嘘…お前女なんだろ?」


彼の言葉にドキリッと心臓が飛び跳ねた。そう俺はちょっとした事情があって自分が女性だと言う事を隠している。

そして自分が女性だと知ってはるのは幼なじみの坊と子猫丸はんに家族だけ…なのに何故彼が自分の性別を知ってはるのだろうかと俺は彼を睨んだ


「その反応は…やっぱりお前女なんだな」


「…その反応って!?どういう意味や」


「いや、お前から女特有の甘い匂いがしてな…だから試しに言ってみただけなんだが本当に女だったんだな」


「………っ…!?」


ニヤリッと笑みを浮かべる彼に何だかからかわれてる気がして俺は咄嗟に彼の頬を叩いた。
パチンっと乾いた音がして俺は彼を睨んだ


「最低や!!お前なんか大っ嫌い!!…」


それだけを言い残せば俺はそのまま体育館裏を立ち去った。もう二度と会う事もないだろうと俺は家へと帰った





−−−

家へと着けば共働きの柔兄と金兄が先に帰っていたのか珍しく二人ともリビングにいた


「お帰り廉造…遅かったな」


「ただいま柔兄金兄…」


「なんや元気ないな廉造?なんかあったんか?」


「いや…ちょっと疲れてんや…俺少し寝てくるわ」


体調の悪いふりをしてごまかした。
やって言える訳がない…俺が女だとばれたなんて二人には言えへんし、もう迷惑はかけとうない…


「そうか…なら飯前には起こしてやるからぐっすり寝なや」


「おおきに柔兄…ならおやすみ」


言えへんよ…また二人に迷惑をかけてしまうんやから

自分部屋へと入れば俺は制服を脱ぎながらベッドへと座った。ワイシャツごしに見える自分の胸…今はさらしで巻いてごまかしているけれど最近はさらしで巻くと胸が痛むようになってきた


「…はぁ…だんだんごまかしづらくなってきたなぁ」


俺は自分の胸を見つめながらため息をつくのだった




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