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□僕らは弱いから
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「なぁ…燐君…
俺ら別れよや」
「なっ!?…何でだよ!!!」
おどろく燐君の顔…それもそうや…やって正直、まともな理由なんてなかったし…ただそう思った俺の気まぐれなんやから…
ガランッと燐君が立ち上がった衝撃で音がしてはテーブルの上にあったオレンジジュースの入ったコップが落ちて白いカーペットに滲みを作った
あー…あとでクリーニングださなあかんかもな…
そんな事に気を取られていれば自分の返答に痺れを切らしたのか燐君が強めの口調で言ってきた
「なぁ志摩!…どうして俺ら別れなきゃなんねぇんだよ!!聞いてんのか?志摩っ!」
「うるさいっ!!俺は燐君に愛想がついたんですわ…それに…好きな子できたんや…」
好きな子ができたなんて大嘘…今も昔も好きなのは燐君だけ…
しかし、俺が燐君と別れようとしている理由は…燐君は俺なんかよりもっとまともな恋をしてほしいから…
自分勝手な思いだとは百も承知してる…
だけど…こんなろくでもない俺なんかにさっさと愛想をつかしてや…君ならまだ俺なんかよりええ子がぎょうさんできるんやから…
「嫌だ!!」
「…なんで……」
「俺はお前を誰よりも愛してんだよ…手放したくねぇ!!」
燐君の真剣な眼差しが言葉が…自分の心に突き刺さってくる感覚が分かった
それはとてつもなく心に突き刺さっては痛み…自分を苦しませた…しかし、それがなぜだか自分には心地好かったんだ
「燐君……どうしてなん…どうして…俺なんや…」
痛みと苦しみに堪えながらもやっと声を絞りだしそう燐君に問い掛ければ燐君はとても切なそうな目で自分を見てきた
そんな顔を自分に見せたのは初めてだった
「…お前が泣いてるからだ…志摩」
「…えっ……」
彼に言われやっと気づいた。自分の瞳からはとめどなく涙がこぼれ落ちていた。拭っても拭っても次々と落ちる涙
「ははっ…ほんまに格好悪いな…俺…自分から言い出したく…せに…」
苦笑いしながらもそう顔をあげて言えば不意に燐君に抱きしめられた
「…馬鹿…なに泣いてんだよ」
「ほんとやね…ほんまにごめんなさい…燐君」
その心地よさに自分も燐君を抱きしめ返した
「お前がなんで別れようなんて言ったかわかんねぇけどよ…俺はお前を世界一愛してる…だからお前が死ぬまで手放してなんかやんねぇよ」
「燐君…俺も…俺も愛しとります…」
燐君の言葉に俺は頷けば耐えていた何かが切れたのかそのまま泣き出した
〜僕らは弱いから〜
(だから二人で一つ…お互い支え合わなきゃいけない者同士…)
【気弱な志摩君が書きたく書いてみた…シリアスなのかこれ?】