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「はぁ…なんですの?奥村君…こんな夜中に起こして…」

ふわぁ〜と欠伸をひとつした。起こした彼はと言えば自分の目の前を黙々と歩いている

ほんまに…今、何時やねん…あー眠いわぁ…

てか、奥村君何処までいくんやろか

「着いたぜ」

「…ここって…」


奥村君に言われ辺りを見れば自分がいたのは建物等が入り組んだどこかの路地裏で周りは暗く、せめてもの明かりは月の光だけ

「此処は俺の住家だ…おいっ!雪男!いねぇのか」

「…えっ…あっちょっと」

訳がわからずの自分等お構いなしに奥村君に手を引っ張られては家とまでは言えないが小さな小屋のような所へと連れていかれた

「兄さん?…こんな夜中にどうしたの…そちらさんは」

「…雪男コイツは志摩廉造だ…廉造コイツは俺の弟の雪男だ」

「どうも…志摩廉造って言います」

「どうも…弟の奥村雪男です…」

小屋の中から出てきたのは奥村君とは正反対の賢そうで頭の良さそうな人だった

凄く礼儀正しそうな人やなぁ…これが奥村君の弟やなんて

「あっ…立ち話も何なんで志摩さん中へどうぞ」

「おおきに…」


中へと入れば中は意外に広く真ん中に設置されてある食卓テーブルと椅子に座れば雪男君が紅茶をいれてくれた。

「それにしても兄さん…なんでこんな真夜中に…朝でもよかったのに」

「俺はそれでもよかったんだけどコイツが明日学校っていうもんに朝からいかなきゃなんねぇみたいでよ…」


頬杖をつきながら紅茶を飲む自分に目線を向けてきた奥村君


「そういえば兄さん…志摩さんとはどういう関係で」

「廉造か?廉造とは婚約を交わした…」

「ぶっ!?…げほっ…けほっ」

その衝突的な奥村君の言葉に俺は飲んでた紅茶を思いっ切り吹き出してしまった

「志摩さん大丈夫ですか?」

「汚ったねぇな…なに吹いてんだよ」

「ドアホ!!いきなり奥村君が訳のわからん事をいいはるからっ」

「何が訳わからんことだよ婚約しただろ」

「何時そないなことしたんやアホ!!」

「えっ?兄さんの婚約者って志摩さんなの!?」

「いや…違っ!?」

「そうに決まってんだろ?まぁお前に会いに来たのは廉造の紹介するために来たみたいなもんだからな」


あー…あかん…話がもっとあかん方向に進んでいっとる
どないしよ…俺奥村君と結婚する気やなんて…

「志摩さん?…」

「…えっ…あ…はい…」

「すみません…兄の我が儘に付き合わせてしまって…」


いきなり声をかけられ頭を下げる雪男君に自分はあたふたしながら辺りを見るも奥村君の姿はなかった


「兄さんなら今、トイレに行ってますよ…あと貴方が兄さんの婚約者じゃないこと知ってますから…兄さんに振り回されて嫌な事とかあったら言って下さいね。」

「えっ…あ、ありがとうございます雪男君…」

「雪男君なんてよそよそしい名前はやめてくださいよ雪男でいいです」

「…なら雪男はんで」

笑みを向ける雪男はんにほんまにええ人やなぁと思いながらも笑みを帰せばいつのまにいたのか奥村君が呼んできた

「おーい廉造…そろそろ帰るぞ

「あっ…はい」

「それでは廉造さんまた来て下さい」


奥村君に呼ばれ紅茶を飲み干し慌てて立ち上がればニッコリと微笑む雪男はんに頷けば奥村君の所へと走って行った


「お前…廉造と何話してたんだよ」


「廉造さん素直で可愛らしい方だね…話していて楽しかったよ」


「てめぇ…廉造はやらねぇからな」


「…そう?…兄さんの婚約者なんて勿体ないよ」


「なっ…なんだと!?」


「二人共なんの話しとるんです?」


「何でもねぇよ…行くぞ廉造」


「それじゃぁ…兄さんに廉造さん帰りは気をつけて下さいね」






手をふる雪男はんに手を振替せば少し機嫌の悪い奥村君に首を傾げながらも家路へと着くのだった















【はーい雪男初登場!!!未だに雪男の口調定まらず…すみません…次回は坊と子猫さんが出てきます……多分…予定?←←】
 

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