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□相合い傘
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本屋でエロ本を買ってから家へと帰ろうとする頃外は土砂降りだった


「あーぁ…こないに降るって天気予報言っとったっけ」


俺は薄暗い外を見つめてはぽつりとつぶやいた。決して傘を忘れたわけではないが、なぜか傘立てにさしていた傘がなくなっているのだ。

やられはった…

俺はこの状況にため息をついた。この土砂降りのなか家に帰れないこともないが完璧に家につくころは全身びしょ濡れだろう


かといってここで待っていても何時やむかわからないためにどうしようかと悩んでいた。


「どないしたんや志摩」


「坊…」


声をかけてきたのは買い物帰りだったのだろうかスーパーの買い物袋を片手に持ち傘をさしている坊だった


「お前まさか傘ないんか?」


「いや…あははっ…ないっちゅーか…盗まれてもうた」


「…はぁ阿呆…どうせまたエロ本でも買っとったんやろ」


坊はため息をついては呆れ顔ながらも頭をかく俺のほうへと来れば自分の傘を差し出した


「俺と一緒でよけりゃ家まで送ってやってもええぞ」


「…もちろんええに決まってるやん」


俺は坊の言葉に笑みを浮かべ頷き傘に入れば坊に抱き着いた


「ちょっ…待てや…卵潰れるとこやったぞ」


「やって、坊すんごく優しいんですもん」

「大好きや坊」

「なっ…ドアホ!?はよ離れろや恥ずかしいやろ」


「んー…いいですやん誰も見てへんのやし」


ぎゅうっと俺は坊に抱きつけば坊は軽く頬を赤らめたそんな坊を見て可愛いなぁと笑みを浮かべては悪戯心でぎゅうっと更に抱きしめる力を強くした


「…それもそうやな…そういえば志摩、俺最近青姦の本を読んだんや」


「へっ?…坊が青姦の本を…」


「そや、お前んとのマンネリ防ぐために俺かて勉強してんや…まぁ今日がいい機会みたいや試したる」


「えっ…あっそれは流石に遠慮しときますわ…そのっ」


「なんでや?ちょうど誰も見てへんのやしええやろ?そこに公衆トイレもあるし」


ニッコリと笑みを浮かべながら言う坊に俺は久しぶりに恐怖を覚えた。いつも仏頂面で滅多に笑わない坊がすんごくいい笑顔を浮かべている


「嫌や…ほんまに勘弁してください…ほんまにすみませんでした」


「なに謝っとんねん?悪いことなんもしてへんやろ」


坊は俺に笑みを浮かべながらも腕をがっちりと掴まれ逃げる事が全くできない

えっとあの…言ってることとやってることが違うんやけど…

「いや…あのっ…えっと、離してくれへ」


「却下や!」

「えっ!?…あっ…やっぱり?」








俺は初めて坊を本気で怒らせてはあかんと思った








相合い傘
(それじゃ行こか…その本濡れへんよう俺が持ったるさかい)

(へっ…あっ…ありがとうございます…)





【志摩君ドンマイ!裏へと続きます】
 

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