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「廉造ー起きろ!!」
「…んぅ…嫌や…あと5分…」
「あと5分ってその言葉15回目だぞ…ほら、早く起きねぇとキスするぜ」
「…ん……ふぇっ…ちょぉぉぉーっ」
奥村君の言葉に眠気が一気に消え目が覚めた。目の前には奥村君の顔があり唇が重なるぎりぎり寸前で俺はそのまま奥村君を蹴り飛ばそうとするも奥村君は猫の姿にかわり軽やかに逃げていく
「ちっ…あと少しだったのによ…」
「はぁ…最悪や…」
俺は舌なめずりをする奥村君を横目にため息をつけば眠い目を擦り部屋をでた
正直、彼を家へと連れて来て彼女宣言をされてからほぼ一ヶ月、このやり取りは続いていた。そのせいで朝は特に寝坊ができず最近では柔兄より早く起きる事が多くなった
俺はそのままリビングへと行けば今日も柔兄達の姿はなかった。時計をみれば只今5時を只今回ったばかりだ
「おい、廉造腹減ったなんか食い物ねぇか?肉食いてーんだけどよ」
「あ、朝から肉!?…凄い食欲やね…まぁ昨日のジンギスカンが残っとるからそれで作ったるわ」
「おーサンキュー」
後ろからついて来た奥村君に朝ごはんを作るのも最近は日課になった
嬉しそうに笑みを浮かべる彼を横目に俺は冷蔵庫に入っているジンギスカンを取り出しフライパンで味付けをし直しどんぶりご飯の上にジンギスカンをのっけていた時だった
不意に奥村君の手が腰に回してきたのだ
「奥村君…作業できへんのやけど…」
「なんだか俺達新婚さんみたいだな?…」
「はぁ!?…な、なに言って…くだらん事言わないでや」
奥村君の言葉に急に頬に熱が集まる感覚がわかった
それがバレるのが恥ずかしく俺はそのまま奥村君を突き飛ばした
「…そんな嫌がんなくてもよ…俺達一応恋人なのによ」
「誰が恋人や…ドアホ」
ムスッとしながら俺は箸とどんぶりをテーブルにおけば渋々と俺から離れては奥村君はどんぶり飯に手をつけた
「美味っ!?…志摩お前やっぱりいい嫁になるんじゃねぇか?」
「そら、おおきに」
褒められて悪い気はしなかった。おいしそうにどんぶり飯を食べる彼に俺は笑みを浮かべた
「ごちそーさん…」
「お粗末様や」
「それじゃあ…廉造さっきできなかったおはようのちゅーしようぜ」
「えっ!?……ぞぇぇぇーっ…ちょっ待ってぇな」
ご飯が食べ終わりいきなり抱きしめてきた彼にやめろと抵抗をするも問答無用と言わんばかりに笑みを浮かべて唇が近づいてくる
「…ちょっ…ほんまに……っ…ええ加減にしぃや!!!!」
火事場の馬鹿力とでも言えばいいのだろうか。俺は勢いよく奥村君を引きはがしドアの方へと突き飛ばした
「ふわぁ…んだよ…朝っぱらからうるせ…ぶっ!?」
起きてきた金兄がドアを開けた途端俺が突き飛ばした猫姿の奥村君が金兄の顔に思いっ切りぶつかった
「ひっ!?…あっ金兄…おはようさん…えっと…」
「れーんぞーう!!!てめぇ朝からなにしやがんだぁ!!!」
「ぎょぇぇぇっ!?…ごめんなさ〜い!!」
「こらぁぁ!!待ちやがれや!!今日こそ許さへん」
と始まる、最近恒例の金兄と俺の朝の追いかけっこ。
もちろん原因はいつも奥村君だ。しかしそんな事を言っても彼は俺以外の人には人間の姿を見せる事はなくそんなことを言ってもラチがあかない
俺はそんな事を考えながらいつまでこれが続くのだろうかとため息をついた
【いつもの事ながらグダグダになっちゃいました…ごめんなさい。それと落ちが全くないのは仕様です
…ごめんなさい…嘘です】