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学校帰り段ボールに入ったに黒い猫を見つけた。少し目つきが悪い猫。


「君、捨てられたん?」

猫を抱っこすればその猫はニャーとか細声を出して俺を見つめてきた


「可愛えぇなぁ…」


ほんまに飼おうかな…けど柔兄達、猫飼うの許してくれるやろか…まぁ気づくまで内緒でええか


と俺は猫を抱っこし家へと持ち帰った。


家に着けば家には誰にもいなかった。
そういえば金兄は学校で柔兄は仕事で夜にならなきゃ帰ってこないって言ってたっけと思いながら猫を床に降ろした


「お腹空いてるやろ?ご飯あげるな」


冷蔵庫を開ければそこには昨日の夕飯の残り物や大量のビールや発泡酒に野菜の切れっぱしと金兄がこの間買いだめしていた魚肉ソーセージ
猫の餌となるのは魚肉ソーセージしかなくそれをとれば猫にあげた


「ほら、ご飯やで」


魚肉ソーセージを一口サイズにあげれば美味しそうに食べる。猫の頭を優しく撫でてやった


「ほんまに可愛ぇぇなぁ君…」


魚肉ソーセージを食べ終わりお腹いっぱいになったのか、毛繕いを始める猫を抱っこすればそのまま俺の部屋へと連れていった


「此処が俺の部屋や…」

と猫をベッドの上へと降ろせばクンクンと嗅いでは物珍しそうに歩き回っている


「…なんや?そないに珍しいん…」


その猫の頭を優しく撫でてやればにゃぁーと鳴いた
それからしばらく猫と遊んでいたが、疲れていたのか睡魔が自分を襲いいつのまにか眠ってしまった






「…ぃ…よ…」


「おい……ろよ」


「おい、起きろよ」


なんや…さっきから起きろ起きろ、うるさいなぁ…金兄か?…全く…


「うるさいで…金兄…でぇぇぇぇっ!!!!!!」


「何だようっせぇな…」


耳を塞ぎこちらを睨んで来るのは黒髪の目つきの悪い俺と同じくらいの男


「うるさいって…てか、君なんで俺の部屋にいるん!!どっから入ったんや不法侵入やで!!」


「あーもううるせぇ!!てめぇから入れといて騒ぐな」


警察もんやぁ〜と叫ぼうとする俺の口を塞いでため息をつく男に離せと抵抗し男から離れれば睨んだ


「俺から入れたって…俺は君を入れた覚えは…」


「ないとは言わせねぇよ?」


いきなり男に腕を引っ張られてはまたもや口を手で塞がれた
しかし、次は口を塞がれた事よりもあまりにも男との距離が近い事の方が気になった


「ちょっ…君、顔近い…」

「顔?…んなのどうだっていいだろ?これくらい近くなきゃ俺の事思い出してくれねぇだろ?」


「ぎゃぁぁぁ…柔にぃ〜!!金にぃ〜…助け」


嫌がる俺を気にもせず男はニヤつきながら腰に手を回し更に顔を近づけてくる
俺は迫りくる男の顔にもうダメだと目をつぶった時だった


「廉造ぉぉ!!!!お前兄ちゃんの魚肉ソーセージ食ったやろ!!!」


今帰ってきたのか学生服のままの金兄が部屋に怒鳴り込んできた


「…ん?なんやその黒猫拾ってきたんか」


「へっ黒猫?…えっ…あぁそうなんや…飼ってもええやろ?」

金兄の言葉に目を向ければそこにはあの男はおらず変わりにさっき拾ってきた黒猫がにゃーと鳴いて座っていた

「柔にぃが良いっていったら俺は何も言わへん…てか、ふてぶてしい猫やなぁ」


ひょいと黒猫を抱き上げる金兄は指で猫の耳をつついた


「それよりも廉造!!兄ちゃんのソーセージ勝手に食べたんやから罰として変わりの魚肉ソーセージ買っておいてや」


「そんなぁ…それは堪忍してや…俺今月ピンチやねん」


「言い訳無用や!それじゃ頼むな」


言いたい事だけを言えば部屋をでていく金兄
それに俺はため息をつけば黒猫の方に振り向いた


「すげー兄ちゃんだな…金髪であれで学生なのか」


「でぇぇぇ!!!どっからまた入ってきたんや」


目の前にいたのは拾ってきた猫ではなくてさっきいたあの男だった


「どっからって…お前まだ気づかないのか…お前の拾ってきた黒猫だけど」


「えぇぇっ!!…ほんまに?」


「本当だよ…俺、奥村燐って言うんだ燐って呼んでくれ」


奥村燐と名乗る男はにかっと笑みを浮かべては俺のほうへと近寄って来た


「燐君?…まだ俺信用できへんのやけど」


「まぁそうだよな…てか、お前名前なんて言うんだ?」


「俺?俺は志摩廉造って言うんや」


「廉造か…よしわかった!」


「??」


「お前を俺の彼女にしてやる!!!」


「へっ……はぃぃぃ??…」





非日常は突然やってくる
(刺激のない毎日なんてつまらないからね)




【初長編を書きました…すんごくクオリティー低いです…志摩君の口調定まらず…これからもぼちぼち更新頑張っていきます】
 

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