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□出会いはBL本から
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「なぁ?お嬢またうちら同じクラスみたいやで」


ピンク色の髪をなびかせてふわりと笑みを浮かべ口を開いたのは『ボーイズラブ』と書かれた本を大事そうに抱える志摩廉造だった


「ほんまですか!…すんごくうれしいですね!お嬢?」

志摩の言葉に嬉しそうに笑うのは黒髪に三つ編みをした少し大人しめ子猫丸だった


「そやな?…これで8年間ずっと我ら離れた事ないんちゃう?」


志摩と子猫丸の言葉に口をひらいたのは黄色いメッシュを入れ二人からお嬢と呼ばれ慕われている勝呂竜士で二人の姐御的な存在。


「お嬢がいたら宿題忘れても安心やからうち嬉しいわー」

「アホかっ!!絶対教えてやらんからな」

「えーっ…そんな…うちの知ってるお嬢は美人で優しくて友達思いなさかいそんな事言わへん」

「そんなエロ本を堂々と抱えとる奴を友達と思った事あらへん」


「…まぁまぁ…お嬢も志摩さんも落ち着いてくだ…」


「ちゃいます!!これはエロ本やなくてボーイズラブ『BL』本や!!そんじょそこらの本と一緒にされたら困りますわ」

言い合う二人に慌てて宥めようと子猫丸が間に入るもそんな事よりも先に志摩が口を開いた


「どっちでも一緒やろ!!エロ本もその本も…」

「やから、違うって言うとる…ひゃあ!?」


話に夢中になりすぎたのか志摩は後ろからやってくる生徒にぶつかりバランスを崩して倒れてしまった


「痛ったぁ…」

「おい、大丈夫か?これ…お前のだろ?」


倒れた志摩にいきなり手を差し延べられ志摩は顔をあげた。
そこに立っていたのは黒髪の可愛らしい女子生徒だった。


「おおきに…」


志摩はその子の手を握り立ち上がれば砂を払い落としその子から本を受けとった


「俺、奥村燐って言うんだ!お前は?」


「奥村君な…うち、志摩廉造って言うんや…ホンマにおおきに…それじゃぁまた学校でな…」


志摩はニッコリと笑みを浮かべ燐にお礼を言っては勝呂の方へと走っていった。


そんな志摩の姿を見て燐は頬を赤く染めるのだった。





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