岩男
□世界を殺した日
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この子を作った博士は、人間を作りたかったのかな。
そう思ってしまう位、精密に作られている空の色をした少年を抱きしめる。
ボクは何も悪いことはしていない。
与えられた命令に従っただけ。
この子を壊せという、命令に。
だからバラバラに壊してあげた。
それはもう見られたものじゃない程に。
でも、頭だけは残して。
何で頭だけ残したのか分からなかった。
ただ、壊す寸前のロックの顔が、余りに可愛くて、欲しいと思った。
気付いたら、ロックの頭だけ抱えて真っ赤なオイルと壊したボディの残骸のなかで座り込んでいた。
すぐにみんなが来てくれた。
みんな凄く驚いていた。
何でそんなに驚いているのか分からない。
ボクは正しいことをしたのに。
「クラッシュ…お前、」
フラッシュが何か言いかけて、止めた。
何だよ気持ち悪いな。
ちゃんと言ってよ。
とりあえず、ボクは部屋から連れだされた。
もう少しあの部屋に居たかったのに。
博士がメンテナンスをしてくれた。
ボクもどこかおかしくなってたみたい。
狂ってるなんて失礼な。
もう、なんでもいいから。
ちゃんと命令に従ったんだから。
早くロックに会わせてよ。
じゃないと、世界でさえ殺しちゃうよ?
FIN