岩男
□ロック争奪戦?
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歪んでしまった日常。
報われない思いを胸に抱えながら今日も終わっていく。
今までこんなことは無かったのに。
苦しくて息が止まりそうだ。
俺は今、恋をしている。
しかも相手は敵で、幼い少年の姿を持っている。
それに合わせてか精神プログラムまで幼く設定されている。
アイツを造った博士を少し恨んだ。
もう少しアイツが大人ならば報われたのだろうか。
否、報われなかっただろう。
相手は敵だ。
許される筈が無い。
この思いを何処にやればいいのか。
伝えることも消すことも不可能なこの思いを。
「くそ…俺らしくない…」
俺は溜め息をついてから、共同スペースへと足を運んだ。