本屋別館

□女王会長とワンコ様
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ここは、私立欧翼学院。
資産家や成金貴族の残り物が集う
‥例えるのなら、ちょっとしたお金持ち高校だ。

治安が少し悪く、その為か女子も三分の一程度しかいない。

まぁ、それでも回っちゃ行くが‥。


「ゆ‥結菜さん!」


「ん?」


振り返って見ると、
何やらもじもじした男子生徒がいた。


「なんかあった?」


「いえ‥その‥。」


未だもじもじと、あのそのを繰り返している。


‥はっきり言って、私はノロいのは嫌いだ。
何故かって?そりゃ決まってる。


ムカつくからだ。
イライラするからってのも合ってる。


「用が無いなら、私は行くよ。」


「あ、待って!」


あぁもう!なんだよウザいなあっ!

なーんて、言えるはずもなく。


私はそいつに手を掴まれてしまった。


本当に、なんなんだよ一体‥。


「す、好きなんです!」


「‥‥はあ?」


「結菜さんが、好きなんです!
へ、返事は入りません!
失礼します!!」


それだけ言うと、男は去って行った。


‥言い逃げかよ、面倒な‥。


私は、深くため息をついて学校を出た。


私は香椎結菜(かしいゆいな)

父が沢山病院を持っていて、
まあ普通よりはちょっとお金持ちみたいだ。
でも、家は言う程大きく無いし
私は金持ちの中でも結構庶民な方だと思っている。


家族構成は、父一人母一人。
兄さんが四人と、姉さんが二人。
‥ま、大家族だ。


一番上の兄さんとその次は、
父さんの病院を手伝っていて
三番と四番は、また新しい事業を建てようと
色々思案している。

姉さん達は二卵性双生児で、つまり双子。

顔は母さんそっくりで、
ふわっふわな髪の毛を毎日巻いたりしている。


私から見ても、二人はかなり綺麗。
性格は、上の姉さんの方が少しキツイ。


ま、その末っ子に生まれたのが私。
話し方で解るだろうけど、こんな性格だ。


「‥‥で、誰こいつ‥‥。」


家の前に着いた。
着いたけど、‥家の前にはどでかいダンボール箱‥。


「‥いかにも、怪しいな‥。」


「う〜ん‥」
 

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