本屋さん

□やあやあ!私だよ!
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「タナ!!またリーク隊長に追われてんのか?」


「うん!だから今全力疾走中!」


「タナちゃんすごいわね〜。
ほら、リンゴお食べ!」


「やっほ〜!ありがとうおばちゃん!」


私はリンゴをかじりながら、
後ろにいるリークを見ながら、
目の前に広がる、
やたらと立派な城を見た。


「いつ見てもでっかー…。」


城下町は、いつも活気に満ちている。
こっちに来てからは、
結構色んな所に行ったからな〜。
市場のおじちゃんおばちゃんとは
もうお友達だもんね!
今みたいにリークと追っかけっこは
日常茶飯事な事だから、
おじちゃん達も気にしない。
て言うかパパ上が、
国民と超仲が良いのだ!


うん、いいこといいこと!


「これはタナ様!」


「また、隊長殿と鬼ごっこですか?」


「やっほ〜!門番さんこんにちは!!
後ろ見てみ?すんごい形相(笑)」


リンゴも食べ終わり、
城下町を上がっていくと
とっても立派な門が一つ。


そこにいた門番さんに、
後ろのリークの顔を見せてやったら、
ぷぷっ、と…小さく笑ってくれた。
…さすがリークの必死顔!
リーク隊長だからね!
身分上だからね!
…門番さんも気を使うよね!!


でも私そんなの嫌いだから!


だからリークをおちょくって、
みんなを笑わせてやるんだ!


…リーク、災難だね〜(笑)


「っおおと、」


「タ〜ナ〜リ〜ア〜ス…」


「ちぃっ、捕まっちゃったゼ!!」


「てめぇは…ちょっとは懲りろよ!」


マヂに起こっているように見えるリークを
取り敢えずしゅんとした
感じになって堪える事にした。


…なはは、演技〜♪


「だからお前は…」


「隊長殿…」


「もうその辺に…」


しばらくすると、
門番さん達がリークに言った。


私の目からは、
一筋の涙のあと…。


「な…っ、」


「ほら、隊長殿が怒鳴るから…」


「おっ、俺が悪いのか!?」


リークはわたわたしながら、
門番さんと私を交互に見る。


…ふっふーん、これは
つい先日から計画していた、
リーク対!泣き通し作戦なりっ!


門番さんと協力して、
リークを困らせちゃえってな事なんよ〜!!


「…あ、…おい…。」


「ぐすっ、」


「な、泣くなよ!!お前そんなに弱かったか!?」


「ぐすっ、」


「…お前もっとあれだろ!?
ケンタウロス並みの肝っ玉…」


殺しちゃうぞ〜っ!?


「ぐおっ!!」


あまりにも失礼な言葉に、
つい演技が取れてしまった。


てか、ケンタウロスって…。
もちっと普通の用意せい!


「なんじゃいケンタウロスって!
リーク!それだから彼女出来ないんだよ!
このモンスターオタクが!」


「うるせー!!なんだよ、
やっぱ泣き真似かよ!
可愛くねーんだよ!!」


「騙された癖に〜、
乙女の泣き顔見て
騙された癖に〜。」


「騙された訳じゃねーよ!
あれは…騙されたふりをしただけだ!!」


「強がっちゃってまー」


へんっ、


と…後ろを向くと、


門が開いて、その中から
一人の男性が大きな声で私の名を呼んだ。
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