短編

□ILOVE悪党番長
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今思えば特別な日




※3Zとは別物です




あの後、私はビックリ発言をされたと同時に開いたドアに向かって

走った。

つまりあの電車から降りた。
私の学校の最寄り駅じゃなかったから次の電車を待って、いつも通り学校に行った。
そして今はもう帰りのホームルームも終わって、帰るところ。

二本前の電車に乗っただけですごい経験しちゃったよ…。あんなに自意識過剰な人初めて会った…。
もう二度と会いたくない…!

というかもう会うことはないと思う。
あの人春雨高校とか言ってたっけ…。

私は国文科に行くって決めてたから、他の皆みたいに高校とか評判とか制服に詳しくない。

でも春雨高校の名前くらいは知ってる。
不良高校で、校外で喧嘩だとか…飲酒喫煙だとか、問題が絶えない…らしい。

あの人はその春雨高校に行っているんだよね…。すごい強そうだった。

春雨高校に行っているから何だとかじゃなくて、あの人みたいな人間は苦手。

すごい真面目な顔をして、あのビックリ発言言っていたけれど、冗談なんだろうし、そうじゃないと困る。

だってあの人、今まで私の周りにはいなかったタイプだたから、どう話せばいいのかよく分かんない。
しかもあの人みたいな性格はなかなかいないと思う。

…こんなことを考えていると正門につくのがアッという間で、ちょっとしみじみ…。

家に着いたら何しよう?…暇だなぁ。


「あっ!沖田!」


は?


「絆創膏ありがとネ!」


ん!?


「これから遊びに行くの?それとも帰るの?」
「……帰るけど、」


さっきまで私の脳内を占めていた今朝の不良。…何しに来たんだ。


「帰るのか…」
「何か用?」
「用?別にないよ」


ないのに来るの?


「じゃあ私帰るから」


そう言って横を通り過ぎようとした。が、左腕を捕まれた。…痛い。


「絆創膏のお礼がしたいんだ」
「…そういうの本当に大丈夫だから。気にしなくていいから」
「そう言わずにサ」


この人のお礼の対象の私がいらないって言っているのに、手を離してくれそうにない。
本当にお礼とかいいから離して!


「沖田の絆創膏のおかげで、ジンジン痛かったのが治ったんだ」
「べつに私の絆創膏だからってわけじゃない」
「うん。それでも助かったからお礼させて」


…語尾にハートがついているような気がする。


「分かった、から、離して」
「うん」


案外あっさり離される。
捕まれたてた左腕は若干痛い。


「…で、お礼ってなに?」
「家まで送ってあげる」


即答で答えられた。けど送ってもらわなくていい。


「どうせ電車だし、いらない」
「電車混んでるから俺が送るよ」


…確かに電車は混んでる、けど、


「足持ってんの?」
「うん」


また即答で答えられた。
あれ、でも…


「誕生日いつなの?」
「…?六月一日だけど」


あれ、


「まだ免許取れないんじゃ…」


確か誕生日が来ないと免許は取れなかったはず。


「…細かいこと気にしちゃだめだヨ」


コイツ無免だ…!


「…今朝は吉原高校とちょっといざこざがあってネ、あっ勿論勝ったのは俺だけど!今朝は帰りだったんだヨ」


…なるほど。
吉原高校は下りの電車に乗る。
春雨高校と真代女子は上りの電車に乗るから、コイツの家が私より春雨高校と真代女子に近いから会っちゃったのか…。


「学校行くの面倒になっちゃったから家に帰ったんだけど、暇でネ、」


よく喋るな…。


「ツーリングついでに寄ったの!」


ついでかよ!


「帰るんなら家まで送るヨ。それとも俺に付き合う?」
「帰る」


無免どうこうじゃなくて、捕まったら私まで火の粉がふりかかる。なんたら幇助とかで。多分。


「帰っちゃうの?…まあ今日はいいか。今度付き合ってネ」


そう言って神威はヘルメットを投げてきた。から受け取った。


「結構遠いけど良い?」
「良いヨ」


やっぱり満員電車には乗りたくない。
これが理由。
…というか、今日初めて会った男の後ろに乗っていいのかな。


「…乗らないの?」


…………まあ、いいか。


「…乗る」




*・*・*・*・
長いので切りました。
今初期田の友達(同級生)を誰にするか迷っています。




*20120613
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