短編

□ツンツン日和
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※恋人設定
※3Z
※ちなみに総羅ちゃんは普通にセーラー服着ています
※いつ頃の話?と突っ込まないでください
※ご意見ありがとうございました!




昼休み。それは空腹を満たすための時間。
私はお弁当を持って一人屋上に来ていた。

屋上でご飯食べんのは私と土方さんくらいだけど、その土方さんは今日は用事があるらしい。

たまには一人も良いかもしれない、と絵の具を溢したような綺麗な青い空を見ながらそう思った。

平和だなあ。
今日は暖かいけれど風はそよそよと吹いているだけで実に丁度良い。
耳を澄ませば鳥の鳴き声も聞こえてくる。
粋だねィ。

一人静かに気持ち良く食べようとする私の平穏を打ち砕くものなんて……


「総羅ああぁ!」


いた。
扉が壊れるんじゃないかってくらい(ってか壊れた)思い切り開けて、私の名前を叫ぶ男、神威。


「何か用?」


ってかどうやって学校に入ってきたんだ。


「普通に正門から入ってきたヨ?」


勝手に私の心を読まないでほしい。
つーかよく入れたな。


「で、どうしたの?」


喧嘩してきた後なのかな。
長ランに返り血が…。


「もう!用事がなきゃ会いに来ちゃ行けないの?」


そう言いながら唇を尖らす神威は何だか可愛い。


「そういうわけじゃない」
「じゃあどういうわけヨ?」


…どういうわけだろう。
考えようとしたけど、めんどいからやめた。


「今日はツンツンする日なんだネ。可愛い」
「は…?」


ツンツンする日?
そんな日ないっつーの。


「まあいいや」


いいんだ…。


「今日は総羅にプレゼントがあるの!」
「えっ…」


あの神威がプレゼントなんてロンチックなことすんのかィ!?


「じゃあじゃん!」


神威が効果音を言って出してきたのは長細い木箱。


「くれんの?」
「うん!」


神威が頷いたから木箱を受けとる。

何入ってんだろ。
ってか何か入っているわりには軽い…?
とかなんとか思いつつ、開けてみる。


「…………ん?」


何も……入っていない。
…あれ?


「総羅……」


何だか…妙に色っぽい声で名前を呼ばれる。


「なに、急に」


神威は私の肩に手をかける。ホントになに。


「チューしていい?」
「はあ?」


いきなり何言い出すんだコイツ。


「いいよネ」


いいって言ってない!

肩を掴む神威から逃れようとするけれど、上手くいかない。


「暴れないで」
「ちょっまっ待ちなせっ…!」


私の唇に噛みつくようにチューする神威。全っ然優しくねェ!


「んっ」


うわっ…変な声出た…!


「んん」


っつーか息が出来ねェ!
もうやめて…!


「総羅」
「…はあっ!」


苦しい…。頭がガンガンする…。
なにすんだコノヤロー。


「なあに?誘ってんの?」
「はあっ?」


はあはあしてる私と違っていつも通り余裕な神威。ムカつく。


「……ねっ、気づいて」


なにを?


「頭!」
「は?頭?」


何かイタズラでもされたんかな。
左(しだり)手で頭をポンポンしてみるが何もない。


「てっぺんじゃなくて…」


…てっぺんじゃないの?

じゃあ片ポニーの中間辺りを触ってみる。けれど、変なところはない。


「そこじゃなくて…もうちょい上。結んであるところ」


言われた通りにゴムで結んであるところを触る。

ん?
…何かある。


「なにこれ」


何か…紙くずみたいなのがあってしゃらしゃらしたのがある…。


「取っていいヨ」


どうやって取るの。
つーかなにこれ。


「簪だから抜けばいいんだヨ」
「簪?」


このご時世に?マジでか。

簪なんて何に使うんだ!髪にさす以外ないけど、着物なんて持ってない!

神威には悪いけど、簪を抜きながらそう思ってしまった。


「…どうしたの、これ」
「買ったんだヨ」
「うん」


何で簪なんだろ?
可愛いしすごい好みだけど、使い道が…。


「ごめん、普通にゴムの方が…」


良かったかな…。


「えっ!!」


ごめん。神威。


「いっいいの?ゴムで!!」
「うん…?」


なに嬉しがってんだろ。


「俺独り暮らしなんだ」
「だから?」
「今日泊まりにおいでヨ」


はあ?何言ってんだ?
一体どうしてそうなる!
さっきの会話のどこに今日泊まりにおいでヨ、にいきつくもんがあったんだ!


「あ、大丈夫だヨ。帰りにコンビニで買うから!」
「だからなにを!?さっきまで簪の話してたじゃん!
第一泊まりに行くなんて言ってないし!」
「じゃあ遊びにおいで!」


ダメだ。人の話聞かん。


「総羅〜、いつデレるの?」
「デレない。というかツンツンしてない」
「…いやしてるヨ。いつも以上に俺可哀想だヨ」


自分で言うな自分で。


「総羅が構ってくれないと、俺他の女んとこ行っちゃうヨ」
「………行けば」
「やだ…」


何のために言ったんだよ…。


「べっ別に嫉妬とかじゃないんだけど、寂しいとかじゃないんだけどなっなんとなく嫌だからいろ!」


何言ってんのこの人…。


「とか期待してたんだけど」
「…なに、さっきのは私の真似?」
「こんな感じじゃない?総羅って」


マジでか!?
何、私ってあんなこと言うの!?


「で、泊まりくるんだよネ」


…もう神威に何言っても無駄だ。聞かねーもん、コイツ。




*・*・*・*・
この後はご想像にお任せします。
ゴムと言い神威くんと同じものを考えたかた、いらっしゃいますか?攻めの素質がありますね!(多分)

途中話が脱線しまくりで申し訳ないです。
そしてこんなんですみません。
また気が向きましたらぜひ!
ご意見ありがとうございました!

梅ノ季節、小説大量更新期間!
第三段。




*20120314

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