拍手御礼文
□頭髪の日
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※頭髪の日記念小説
※昼
※恋人設定
※ファミレス
※星海坊主篇後
「…ふぁ?」
たらこスパゲッティを口に入れながら俺は言ったから、は?がくぐもった。
「だから、星海坊主さんに会ったんでィ」
…うそ…。
たらこスパゲッティをゴクンと飲み込んで、いつ?と総羅に聞く。
「この前」
…どの前?
「見たって言っても襖からちょこっとガン見しただけでさァ」
ちょこっとガン見ってなんなんだろ…。
まあこんなことはどうでもいい。
愛しの総羅が俺の知らない間に、仮にも自分の親父と会っていたなんて。
その総羅は、えいりあんを狩ってるところも見たんですぜィ。なんて呑気なこと言ってる。
「なんか話したの?」
「遠くから見ただけでィ」
良かった、無意識にそう思う。
が、信じられない言葉が俺の耳に飛び込む。
「声が渋くて、なんてェんだろ?素敵なおじさまって感じだったんですぜ!すごい強くてすごいかっこよかったんでさァ!」
…なんて俺のことじゃないことに、満面の笑みで言われてもね…。
ムカつく。
あ、これが所謂嫉妬ってヤツなのかな?
え?なんで俺が知ってるのかって?
それは内緒。
そんなことより、あの男のことで総羅が笑顔になるなんて嫌だナ。
俺のことだけでいい。
コイツは独占欲ってヤツらしい。
阿伏兎に団長は独占欲が半端ねェんだよ、とかなんとか言われた。
嬢ちゃんも可哀想に、とも言ってたけど俺にとっちゃどうでもいいんだよネ。
だから総羅をどうしようが俺の勝手だし、実際総羅が手に入ったんだから。
それに、俺のほうがあの男よりも強い。
総羅は俺の戦ってるところを見たことない。
…なんとかしよ。
それに、やっと総羅が手に入ったのにさ、あの男のこと誉めるとかすごい腹立つ。
だって、俺のことは一度も誉めたことないんだヨ?
…俺もう笑ってる顔なんてしてないんだろうな。
「……それで?」
俺の親父がそのハゲだって知ってんのかな。
「星海坊主さんってチャイナの親父さんだったんでィ」
そりゃそうだ、一応妹だからネ。
…てか、わざわざ星海坊主、さん、なんて言わなくていいのに。
「気づいたんでさァ、星海坊主さんの娘がチャイナなら、神威の父親って…」
「そのハゲだネ」
父親、ね…。
「…神威」
いきなり総羅が真剣な表情になる。
どうしたんだろ。
「やっぱり」
無駄に心臓の音がうるさい。
こんな…。
真剣な表情で見つめられると……。
あああ、今すぐブチ込みたい…。
「将来神威もハゲるんですかねィ?」
………………………。
「あ、別に私は気にしやせんぜ?」
……………………………。
「神威は絶対ツルツルでもカッコいいと思いやす」
…………………ありがと。
「つっても気にしないから安心しなせェ」
………………うん。
あれ。
「子供にも遺伝したらどうしやしょ?私がハゲない体質だったら大丈夫かねィ?」
え。
「男の子は良いけど女の子だったら…。う〜ん」
あれ、ちょっ子供…生んでくれるの…?
あれ、じゃあ俺と結婚してくれるの?
俺についてきてくれるの?
「これからの神威によりまさァ」
…………がんばる。
*・*・*・*・
拍手本当にありがとうございます!
拍手御礼文短くてすみません。
初めての神威目線!書いてて楽しかったです。
何日か前に“頭髪の日”だったらしく、知ったとき直ぐに思いついたネタ。
*20111222