short.

□心転身-しんてんしん-
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「なまえちゃーんっ!」


「きゃあっ!」


ドサッ…



心転身-しんてんしん-
沖×主の場合




「いったあ…もうっ!沖田先輩、急に飛び出さないでくださいよ!」


「なまえちゃんこそ倒れこんでくるなんて…」




「「あれ…?」」




――――私が…


――――僕が…




―――目の前にいる。




「どうなってるの…?」



「うーん、これは…」



「沖田先輩と、身体が…」



「入れ替わってるね」





「ち、ちょっと!勝手にスカートめくらないでくださいっ!」


「いいじゃない。僕の身体だし。」


「私の身体ですっ!てゆーかこの状況を楽しまないでください!」



「そうだね、とりあえずもういっかいぶつかってみようか?」


「あ、はい」




「「せーのっ」」

ドサッ


「…痛い」

「戻らないね」

「も、もう一度!」


 
「「せーのっ」」

ドスッ


「「せーのっ」」


ドンッ


「「せーのっ」」


バタッ



―――――数分後。



「はあ、はあ、はあ…」


「戻らない。このまま続けてたらこの世に戻れなくなるかもね」


「そ、んな…」


「学校始まっちゃうし、今はとりあえずお互いに成りすますしかないよ」


「そうですね…あの、ひとついいですか?」


「なに?」


「トイレは行かないでください」


「え?無理でしょー」


「我慢してくださいっ!」


「あーもう、わかったから!そろそろ僕のフリしてくれないと、周りに気付かれちゃうよ?」


「あ、はい…わかりました」




キーンコーンカーンコーン


「なんで総司が二年の教室にいるんだよ!」


「なに言ってるの平助くん。私のことが好きだからに決まってるでしょ?」


「ちょっ!おき…なまえちゃん、なに言ってるの!」



ガラッ!

「おいっ!総司はいるか!?」


「あ、土方さんだ」


「えぇっ!?ああっ!待って、あの土方先生!」


「なんだあ?総司、やっと俺のこと先生って呼ぶようになったか」





 
(三年生の教室なんて…なんだか落ち着かないなあ)


「総司…おい総司!聞いてんのかっ!?」


「ひっ土方先生…なんですか?」


「なんですか、じゃねえ!お前、答案用紙にくだらねえ落書きするのいい加減やめろ!」


「…え?」


「とぼけても無駄だ。昼休み職員室な。」


(えぇー!!?)








「なあ、なまえ。次の古典、俺が指されたら、またよろしくな!」


「なんの話?」


「いつも通りよろしくってこと!」



(いつも通り…?)






「じゃあ次の問題。松尾芭蕉の代表的な句を…藤堂、答えろ」


「…はい」


(ん?平助がチラチラこっち見てるけど…答え教えろってことかな?)


ノートの端に一句書いてトントンと指差す



「梅の花 一輪咲いても 梅は梅、ですっ!」



「…おい、藤堂。昼休み職員室来いな。」



(ぶっ!ざまあみろ平助。いつもなまえちゃんに教えてもらってる罰だよ)





―――――昼休み。



(ああ…職員室なんて滅多に来ないし緊張するよ…)



 
「あれ?平助くん、どうしたの?」


「"平助くん"?急にどうしたんだよ総司、気持ちわりぃよ!」

「あっ…!そ、そんなことより土方先生に呼び出されたの?」


「ああ、うん。総司はしょっちゅうだもんなー」


「いや…うん、まあね。平助、何か怒られるようなことしたの?」


「それがさー、何でか分からないんだよ。なまえに教えてもらった答え言ったら、急に土方先生の顔色変わってさあ…」



(沖田先輩に!!?ああ、嫌な予感しかしない…)



このあと二人はたっぷり絞られました。



(はあ…散々な目にあったよ。落書きしたのは私じゃないのに!)


「総司?具合でも悪いのか?」

「あ…は、はじ、めくん?」


「少し顔が赤いな。保健室で休んだらどうだ?」


(それはいいアイデア!それで放課後まで乗りきろう!)


「そうするよ!は、はじめ…くん…」


「呂律が回らないのか…心配だから俺も付いて行く。こういう時によく効く薬をやろう。」





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