story.
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私は200年先の未来から送り込まれてきた人造人間2号。
コードネームは「なまえ」。
この時代には私の他にも何体かの人造人間が来ている。
私達の目的は、200年先の未来であってもどうしても作れない"あるモノ"を手に入れること。
「っていうか、ハチ公前ってドコよ…!」
マニュアルによると、待ち合わせと言えばハチ公前らしい。
そこで1号と落ち合う予定なんだけどなあ…
ドンッ!
キョロキョロしながら歩いていたら、人とぷつかってしまった。
このセンター街とやらは、なにやら人がごった返している。
「あ、すいませ…ってお前0号!」
「その呼び方はやめろ。千景だ。」
「それよりハチ公探してんだけど…ドコ?」
「フン、俺に道を尋ねるとはいい度胸だ。造り物の分際で!」
「お前が言えた立場かっ!」
あんなこと言ってたけど、なんだかんだ教えてくれちゃう0号…じゃなかった、千景はイイ奴だなあ。
ハチ公って犬の銅像なんだって。渋谷駅前にあるらしい。
「それにしても、すっごい人の数…」
信号が変わるや否や押し寄せてくる人の波に飲まれて揉みくちゃにされた。
「っなんだよ、もう…あ、いたいた!」
"ハチ公前"と思われる場所に立っていたのは1号。
「はじめーっ!ごめん、遅れて…てゆうか、腕もげたんだけど」
「アンタまさか、そのまま街ん中歩いてきたんじゃ…」