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□じゃがいもの芽に気をつけろ
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メニュー、カレーライス。

黒板には作業の手順が事細かに書かれている。

慣れない包丁片手に奮闘する私、みょうじなまえは炊飯器をセットしている斎藤くんのエプロン姿に萌えに萌えていた。

捲し上げたワイシャツの袖。エプロンとお揃いの三角巾。いつもは長めの前髪に隠れてしまっている目も今日はばっちり見える。

「みょうじ、野菜が小さすぎではないか?」

「そ、そうかなあ、私は野菜が溶けてどろどろになった田舎風カレーが好きだからこうなっちゃったのかなあ…あははは…すいません、嘘です。野菜ゴロゴロのシティー派カレーが好きです」

斎藤くんの左手にある包丁から危険な匂いがする…!どうやら斎藤くんはカレー作りにかなりのこだわりがあるらしい。

「…それに、じゃがいもの処理がこれでは雑だ」

「ごめんなさい」

「いいか、じゃがいもの皮と芽にはステロイドアルカロイドの一種であるソラニンという物質が含まれている。このソラニンは神経に作用する毒性を持ち、中毒を起こすと頭痛・嘔吐・下痢などの症状が出る為、丁寧に取り除かなくてはいけない。ちなみにトマトの葉にも同じような物質のトマチンが含まれていて…」

あなたは歩くWikipediaですか。ブツブツ言いながら慣れた手つきで私が取り残した皮と芽を取り除いていく斎藤くん。

よっ!料理が出来る男、斎藤一!やっぱりこれからの時代はこういう男がモテるのよね〜。黙々と作業を進めている斎藤くんにウチの班のカレーは任せることにする。

なにやら焦げくさい臭いに振り向くともくもくと立ち上る煙…総司と平助の班だ。…ありゃモテない男確定だな。

斎藤くんのカレーはもちろん、千鶴のカレーも楽しみだ。

私は福神漬けを器に出す係でもやろう。

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