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□うっかり口走っても廊下は走るな
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はあはあ。息があがって苦しい。足がもつれそうになる。それでも私は止まらない。止まっちゃいけないんだ!
今思えば分かりきっていたことだ。私が、あの子を置き去りにしたばっかりに…トイレから戻った時には見るも無残な姿に…!
だから居なくなっちゃったんだね。でも、私はまたあなたを見つけるよ。追いかけるよ。
やっと追いついたその背中に私は…
「うぉおりゃあー!!総司ィ!私の可愛いプリン返しやがれぃぃっ」
飛び蹴りを…!かましたつもりが華麗にかわされてしまった。
「勘違いしないでよ。僕は残飯処理してあげただけなのに。むしろ感謝し、」
「勘違いしてんのアンタでしょうがぁぁ!食べ物の恨みは怖いんだからね。七代先まで祟ってやるんだからね!」
お楽しみにとっておいた購買の日替わり弁当についてきたデザートのなめらかプリン…!トイレから戻ったらからっぽだったよ!ただのゴミになってたよ!
どう落とし前つけてくれんのよ!言っとくけど、小指なんかいらないんだからね!
「ほらほら、あんまり騒ぐとうるさい人がきちゃうよ?」
「おい総司、それは俺のことか?ぁン?うるせぇのはお前らだろーがぁぁ!」
「うげ、」
「待てテメーら、廊下は走るなァァッ!!」
ダダダダダ…
「なまえ、放課後クリスピードーナツ行こうか?」
「やったー!もちろん総司の奢りでしょー?」
しょうがないなあ、百歩譲って祟るのは三代先までにしておいてやるとするか。
「土方先生、廊下は走らないでください」
「さ、斎藤…これには訳がだな、」