あの日々とは程遠く。
□沈む心
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「さて、どこからお話ししましょうか。」
いつもより嬉々としているマミ。
その表情には、安心のせいか、頬が緩くなっている。
「あ、あの、質問していい、ですか?」
「うん、いいよ。」
「魔法少女って、どうやってなるんですか?やっぱり、なんか厳しい条件があったり…。」
「そんなことはないよ。一つの奇跡を叶えるかわりに、魔女と戦う使命を背負うんだ。」
キュウべぇが淡々と語る。
「じゃあ、お姉ちゃんや巴先輩は、願い事をしたんだ!」
水樹は、成る程ー、と、手をぽんと叩く。
「えぇ、そういうこと。」
相変わらず苦笑ばかりしている紅葉。
水樹は少し気がかりだったが、あまり気にしなかった。
「それに関して、質問でーす!」
さっきから珍しく口をつむんでいたさやかが、元気よく発言する。
「美樹さん、どうしたの?」
「マミさんと、紅葉さんは、何を願って魔法少女になったんですか?」
少し明るかった空気が、一瞬にして冷めるのがわかった。
マミも紅葉も、苦笑するしかない。
その空気をいち早く察したまどか。
あわあわして、さやかの方を向く。
「さ、さやかちゃん!」
「何さ、だって気になるじゃん。き、聞いちゃ…悪かったっぽいけど。さ。」
「うん、あたしも気になる。お姉ちゃんがどうしてそこまで隠すのか、とかさ。」
「水樹ちゃんまで!」
そういうまどかも、少しは気になるようだ。
でも、何となく、聞いてはいけないような気がしたから、それを躊躇ったのだ。