喫茶∫Rest:Calmly∫
□∫Loisirs∫
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Today's Menu ∫Loisirs∫
Today's Music∫On The Edge∫
今日も、おだやかな雨が屋根を静かに打つ音が聴こえる。
そして、マスターがその日の気分でかける音楽が、
店内を程よく潤わせている。
―貴女とお会いするのは、初めてですね―
―店内から聴こえる音楽が素敵でしたので―
―何か飲まれますか―
―あ、今日は学校帰りに寄っただけなので、お金は―
―ごめんなさい、迷惑ですよね―
―構いません。一休みして行くと良いです―
そうですか、では休ませて頂きます。
と、少女は、窓際にある二人がけの席へ座った。
―暇、ですね―
―私は音楽を聴くのに忙しいですよ―
―それ、忙しいって言うんですか？―
―ええ、とっても忙しいです―
―音を一つ一つ感じていくのですよ―
―面白い方ですね―
―そういう貴女の声も、私には１つの音楽です―
―素敵ですね―
そういって、寂しそうに笑う少女。
―私、暇な時間が嫌いなんです―
―今はお嫌いですか―
―あ、いえ。今は楽しいですよ―
―そうですか。それはなによりに御座います―
―暇な時間って、何も無い隙間の時間なんですよ―
―私にはわかりかねます―
―とても、損をしてしまった気分になります―
―今は得をしているのですか？―
―返答に困ってしまいますよ―
―これは失礼致しました―
苦笑いをする少女の表情は、
損得勘定で計れるとは、私には思えなかった。
―そろそろ帰りますね―
―そうですか―
―今度は、きちんと客として来ます―
―今日も、きちんとしたお客様でしたよ―
少女は、笑って喫茶店を後にする
――いつでも、お越しくださる日をお待ちしております。迷えるアンヴィジター。
貴女と共に過ごす、暇な時間を。
雨音が響く今宵、貴女に良い休息が訪れん事を―