りりぃのお部屋

□風邪の治し方
1ページ/1ページ


「んぅ…?」

虎徹が目をあけると、そこには不機嫌そうな顔の年下の相棒がいた

「あ…れ? バニーちゃん、なにしてんの?」

努めて元気そうにしゃべってみるが、声が弱弱しくかすれてしまうのは隠せない

まいったなと思っていると、ベッドの横に立っていたバーナビーが眉間の皺を深くした

「なにって…おじさんが風邪ひいたって聞いて」

「なんだよ、アントニオのやつ喋ったのかよ」

ちっと舌打ちすると、虎徹はばつが悪そうに布団を引き上げ顔を半分隠す

その様子を見ながらバーナビーが溜息を吐くとベッドの端に腰を下ろした

「熱、高いんですか?」

「んー…たいしたことねぇよ」

もそもそ言うと、バーナビーは信用ならないと言わんばかりに虎徹の額に手を伸ばした

「…結構あるんじゃないですか?」

「ん〜そうか? つか、バニーちゃんの手ぇ冷たくて気持ちイイ」

うっとりと呟いた虎徹に、バーナビーの体の奥がズクリと反応する

「僕、平熱低いんですよ」

病人相手に何をと平静を保ちながら、だが手が離せないバーナビーはそのまま虎徹の頬を撫でた

「んっ…ほんと、冷てぇな…」

「そんなことより、やっぱり結構熱あるんじゃないですか? 僕はこの通り人より体温低いからどのくらいかわかりませんけど」

頬を撫でていると、よほど気持ちいいのか、虎徹がバーナビーの手に擦り寄るようなしぐさを見せる

「ヘーキヘーキ、イッパツ寝て汗でもかけば治るさ」

そういってにかっと笑った虎徹の顔とその台詞が、バーナビーの何かを突き上げる

そんなことを考えている状況ではないと思いながらも、バーナビーはその突き上げてくるものを抑えることができなかった

「…イッパツ……ネテ、汗を………なるほど、そういうことですか」

「うん、そう、だから心配すんな……って、なんでバニーちゃんはベッドに乗ってるのかな???」

さっきまで優しく虎徹の頬を撫でていたバーナビーは、いつのまにがベッドの上、虎徹に馬乗りになっていて、ジャケットを脱ぎ捨てていた

虎徹は焦って身を捩るが、そもそも体調が悪いわけだし、平素パワーを使わなければ鍛えていて若さもあるバーナビーにはそうそうかなわない

「なんでって…お手伝いしようと思って」

その手が、虎徹の布団をはいで寝巻きのボタンをさくさくはずしていく

「や…え? 体拭きとかかな? それならおじさん、今はいいってゆーか…ねえっバニーちゃん聞いてる?! んぁっ」

突然、胸の飾りをねろちと舐め上げられ、虎徹は背をしならせた

「…熱があると、いつもより敏感になるんですか?」

胸元で顔を上げたバーナビーが、クスリと笑って虎徹を見上げた

「んっ知るかっ…んなことより、俺一応病人だぞ?」

「ですから、一汗かいて熱を下げるんでしょう? 手早くしないと体冷えちゃいますね」

そう言うと、バーナビーは体を起こして虎徹の熱い唇にちゅっと食いついた

「んっ」

そのまま力の入らない虎徹の唇の間を、バーナビーの舌がすり抜けて行く

「うんっふぅっ」

くちゅりと音かがしてバーナビーの舌が虎徹の口腔の粘膜を貪り、舌を扱いた

「ぁんっ」

一方でバーナビーの手は虎徹の下肢をまさぐり、下着ごとズボンをずり下ろすと、きざし始めていた虎徹の雄を取り出した

「あっやめっ」

それを握られ思わず虎徹の体が跳ねると、口付けが解かれて銀糸が垂れる

「今やめたら、かえって辛いでしょう?」

唇の端に垂れたどちらのかわからない唾液を、バーナビーがにっこりと笑いながら舐めると、そのまま体をずらして握っていた虎徹の雄に顔を寄せる

ぺろりと舌を這わせると、虎徹の体がびくびくと震えた

「やっぱり、いつもより敏感ですね」

そのまますっぽりと咥え込むと、虎徹が手で口を塞ぐのが目に入った

バーナビーはそんな仕草がたまらなくかわいいのにと笑いながら虎徹自身を舐った

唇と舌と口腔の粘膜で扱き、先端の鈴口を舌でぐりりと刺激すると、頭上から抑えきれない虎徹の甘い喘ぎが聞えてくる

それを聞きながら、バーナビーは唇の端から滴る液を指にとる

自分の唾液なのか、虎徹の先端からあふれた蜜なのかわわからない

それをたっぶり指にとると虎徹の後腔に塗りつけた

「んぁっバニーちゃ…それ、むりっ」

頭上から聞える抗議を無視して、バーナビーは咥えていたものから口を離し、代わりに指をぐりりと推し進めた

「あぁっ」

「無理ですか? ここはいつもより柔らかい気がしますけど…」

虎徹の秘部を暴きながら、もう一方の指でさらにぬめりを足していくと、バーナビーはぐいと奥まで一気に指を突き立てた

「はぁんっばに…ちゃ……」

虎徹は既に口を押さえることすら忘れて、バーナビーが与える後ろの刺激に翻弄されていた

いやいやをするように頭を振ると、汗がぱらぱらと飛び散る

「おじさん…ここ、でしたっけ」

反応を見ながらバーナビーのしなやかな指が、虎徹の中のある一点をくりっと擦った

「あはぁんっやぁっ」

途端に、虎徹の体がしなりバーナビーを直撃する声が漏れる

「すごい、熱いですね…いつもより」

目を細めて虎徹を見つめながらなおも指でそこを刺激し続けると、体をくねらせながら虎徹が涙を浮かべた目でバーナビーを見つめた

「ばにぃちゃ…も…」

「なんですか? まだまだこれからですよ?」

くすりと笑って指をくいと曲げると、虎徹がのけぞる

「やぁんっ…ちがっ」

虎徹は喘ぎながらも、何かを訴えようとバーナビーに手を伸ばす

「なんですか?」

伸ばされた手をとり指を絡めると、虎徹の体が反応してバーナビーのもう一方の指をきゅっと締め付けた

「ばにぃちゃん…の、ほし…」

頬が赤いのは、熱のせいなのか別もののせいなのか

潤んだ瞳と上気した肌に、虎徹の言葉がかぶさり、バーナビーのほうも限界を訴える

「虎徹さん、僕につかまってください、僕の体温で冷やしてあげます」

そう言ってずいと虎徹の中から指を引き抜くと、素早く自分の前をくつろげ、臨戦態勢の自身を取り出した

「中からも、冷やしてあげます」

そうして、ほぐされた虎徹のそこに猛ったものがあてられたと思った瞬間

「ああああっ」

虎徹の中いっぱいいっぱいに、バーナビーの硬くて太い雄がみりみりと入り込んできた

「バニー、おまっ…なんでそんな、ふと…」

切れ切れに虎徹が問うと、バーナビーがその上でくっと笑った

「そんなの、こんなヤラシイ虎徹さん見たら当たり前でしょう?」

「なっやらしいって、ばにーちゃんが…あぅんっ」

抗議を唱えているところに、突然揺さぶられ、虎徹が腰をよじった

「ほら、虎徹さん、しっかり汗かいて早く治さないと…内側からも冷やしてあげてるんですし」

バーナビーが繋がっている部分をぬちぬちと音を立てながら揺さぶる

揺さぶりながら、先ほど指で扱いた部分に先端をあてがうように擦り上げると、虎徹が息を呑んで震えた

「はぁっ…っつ」

虎徹の体が一気にピンク色に染まり、虎徹の両手がバーナビーに縋りつくように伸びてくる

バーナビーが虎徹の腰を持ち上げながらぴったりを自身を納め、そのまま虎徹にのしかかり抱きしめると、虎徹がその背中にぎゅうと腕をまわしてきた

「虎徹さん…」

普段、おじさんとばかり呼ぶくせに、こんな時ばかり名前で呼んでくる年下の相棒

こんな時しか呼んでくれないから、虎徹はその声だけで達きそうになってしまう

だんだんと激しくなっていくバーナビーの動きに、虎徹の頭は真っ白になって何も考えられなくなる

「ばにぃちゃん…おまえ…」

「どう、しました?」

虎徹のすぐ目の前で、バーナビーの綺麗な顔が揺れている

緑色の瞳が綺麗で、その男に与えられる気が狂いそうなくらいの快感が悔しくて

悪態を吐いてやりたいが今の虎徹には何も考えられなかった

「おまえの…ぜんぜん、冷たくねぇっ」

悔し紛れに言うと、バーナビーの腰の動きがいっそう早くなり、虎徹の中を抉る

「ひゃぁんっ、ばにーちゃっもうっもっ」

「ええ、一緒に…」

大きくグラインドしたかと思うと、バーナビーの硬い楔が虎徹の最も敏感なところを突き上げた

「ひっんっあああっ」

バーナビーの腕の中、虎徹は悲鳴のような声を上げながら二人の腹の間に白濁した蜜を吐き出し、虎徹の締め付けにバーナビーもまた、虎徹の仲へと熱い欲望をぶちまけていた






「体温計あるんなら、さっさと出してくれればいいんですよ」

身づくろいをしたバーナビーは、虎徹が示すところから体温計をもってくると虎徹の口に含ませた

すぐにピッと電子音が鳴る

「何度でした?」

バーナビーが覗き込むが、虎徹は慌てて体温計を持ったまま布団に潜り込んでしまった

「…おじさん?」

布団にくるまり、ぐっと端を握り締めて虎徹はあくまでも出てこようとはしない

「…つまり」

蓑虫のようになった虎徹を見ながら、バーナビーは呆れて溜息を吐いた

「下がったんですね?」

「……」

蓑虫は、わなわなと震えていたかと思うと、突然がばりと身を起こした

「だからってお前のさっきの…あ……アレのせいじゃねぇからなっ! 俺の体力のたまものだっ!」

叫んだ虎徹の気が逸れて、握り締めていた体温計はあっさりと取りあげられる

「…平熱、ですよね? これって一般的に」

37度をきるそれは、バーナビーであれば熱が出ている状態ではあるが、普通の人であれば平熱に近いのだろう

かといってあまり無理をさせるわけにもいかない

バーナビーは、勝ち誇ったような顔でしかし、虎徹を再びぐいと布団の中に押し込んだ

「え?」

「熱は下がったとはいえ油断はいけません、僕たちは体が資本なんですからね」

「うー…」

不満そうに唇を尖らせた虎徹に、バーナビーは柔らかな笑みを向けた

「お粥くらいなら作れますから、少し眠っていてください」

そっと頬を撫でてそう言うと、やはり気持ちよさそうにその手に擦り寄った虎徹が、静かに目を閉じる

「やっぱ、バニーちゃんの手ぇ気持ちイイな」

「そりゃ、どうも」

目を閉じた向こうで、僅かに頬を染めたバーナビーがいるとも知らず

虎徹はそのまま眠りに吸い込まれていく

やがて、台所から優しい香りが漂ってくるまでの間


-END-

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ