ありすのお部屋
□S○X
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最初に感じるのは、悦楽というよりは、むしろ圧迫感が強い。
そして、苦痛を伴うほどの、異物感。
ズっ……、と。
激しく音がしそうなほど、内部を切り裂きながら、それ、がねじりこまれ。
そして、切り裂くような、体の痛み。
だが、それを過ぎてしまうと、今度はなんとも言えない感覚に支配される。
それが、深く、入ってくる度に。
ゾクゾクするほど、背中を走り抜ける痺れ。
内部をかき乱していく、甘い痛み。
そう。
この瞬間に、死んでしまってさえもいいと思えるほどの。
狂おしく、甘い。
快感。
「……あ……っ……ああ……ぁ……」
たまらずに、虎徹は声を上げる。
熱い塊が、虎徹をすべて支配するように、何度か深く内部に食い込み。
そして、からかうように抜かれ、またすぐに食い込んでくる。
「……ん……ふぅ……」
バーナビーが虎徹の腰を抱きかかえているとはいえ、身体のバランスがとりづらく、深く突き上げられて、虎徹は思わず目の前に立つ冷たい顔の男の背中へ手を回す。
「……っぁ……ぁ……」
素足の右足を思い切りあげ、バーナビーの背中に腕を回し。
女のように嬌声を上げる自分の姿の、そんな浅ましさまでもが快楽へと繋がっていく。
貪り、貪られ。
ただ、性欲だけを充たしたい。
飢えにも似たこの劣情を、すぐに癒したい。
それは純粋な欲望だった。
人が生きるために食物を摂取するように。
人が生きる為に睡眠を欲するように。
そう、これは生きていく為に必要な行為。
この、狂った時間の中で。
快楽を貪ることが、生きていく為に必要な手段なのだ。
時に人は、瞬間的な快楽を得るために、麻薬や、酒におぼれることがある。
しかし、麻薬は体を蝕み、酒は正常な思考を奪う。
だが、セックスは。
しかも極上の相手との快楽は。
病みつきになりそうなくらい、いい。
すごく、いい。
だから。
「……ぁ……も……っと……」
抜き差しされるたびに、虎徹の内部にある異物は、狭い肉壁を押し開く。
すでに一度中に放たれた精液で、本来ならばそれを受け入れる部分ではないそこを、異物はスムーズに行き来する。
つぅ……と。
ぐちゅぐちゅと抜き差しを繰り返していると、内股へと液が伝っていった。
なんともいえぬ、その不快感までもが瞬間、快楽へと変る。
「……ぁ……ぁぁ……」
背中に感じる、壁の冷たさも。
湿った、熱い吐息さえも。
熱い。
まるで、炎に焼かれているようだ。
ファイヤーエンブレムの炎よりも、もっと濃密な。
ルナティックの懺悔の炎よりも、もっと身を焦がす。
細胞ひとつひとつが焼かれ、再生し、一体化するように。
虎徹は、バーナビーと一体となる。
「もっと……だ……っ……」
バーナビーの背中にしがみつき、あまく嬌声を上げて。
「……淫乱な、人ですね」
くつくつと、喉の奥で低く笑う声がして。
いっそ、壊してあげましょうか?
そんな台詞を、耳元で甘く囁かれる。
返事の代わりに、喰らいつくような、キスを。
突き上げられ、内部を抉られ。
手の先から、足の先まで、快楽に支配されて。
「壊せば……いい」
絶え間なく漏れる喘ぎの中で、悲鳴のような声をあげて。
溶け合う、交わりあう、そして混ざり合う。
極上の、セックスで。
-END-