ありすのお部屋

□バニーちゃんと虎徹さんが、お風呂でえ●ちする話
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「……んんん……」

しなやかなラインを描く虎徹の細い腰に腕を回し、互いの高ぶりをより強くこすり合わせるようにして、バーナビーがゆっくりと動く。
バーナビーは壁にかかっているシャワーヘッドを取ると、蛇口をひねり、そこから湯を出して、虎徹の肩へと湯をかけた。
ザァァッ……。
温かな湯が、虎徹の引き締まった体を弾き、そして虎徹の火照った肌を流れてゆく。
湯を止めて、バーナビーはそのまま、先ほど石けんで刺激されていた虎徹の乳首に、ゆっくりと口唇を押しつける。
ヌルリと、熱いバーナビーの舌がまた虎徹の敏感な乳首に絡まって。
虎徹は、ひときわ切なげな声をあげた。

「あ……ああ……っ……」

ぴくりと体を揺らして、虎徹はますます壁に追いつめられる。
舌で転がしては、口唇で吸いつき。
バーナビーは執拗に、虎徹の乳首を愛撫した。

「……ん……んん……」

そしてそのまま、右手をゆっくりと下に滑らせて、すでに軽く立ち上がりつつあるものを素通りして、太ももの奥へと割って入らせた。

「だ……め……だっ……」
「虎徹さん……いい、ですよね?」

バーナビーは虎徹の返事を促しながらも、すでにそれは断定の響きで、壁にもたれかかり、切なげに身をよじる虎徹の両足を大きく開かせる。

「……や……ぁ……」

あまりにもリアルに両足を開かされる行為に、バーナビーの手をとり、虎徹はその動きをはばんでしまう。  
 
「だめ……だ……バニー……」

まだ残っている虎徹の理性が、あまりにもリアルに開かれて行くこの体勢に抵抗を感じてしまう。
密着する、濡れた肌。
僅かな音も反響してしまう、バスルーム。
オレンジ色の柔らかな光りの中、やけに生々しく見える互いの体。
全てが眩暈してしまうほど、恥ずかしくて。
そしてその中で、バーナビーに体を開かれていってしまうのかと思うと。
虎徹の体が、じんわりと熱くなる。

「嫌、ですか?」

不安げな声で、バーナビーがひっそりと囁いた。
つい先ほどまで、我が物顔で虎徹を甘く責め立てていたくせに。
ほんの僅かな拒絶を見せるだけで、バーナビーは不安げな表情で虎徹を見つめてくる。
バーナビーの胸を押しとどめるようにして、虎徹はゆっくりと首を振った。

「いや、って訳じゃないんだけど……」

一瞬、傷ついたような顔を見せたバーナビーに、虎徹は困ったように笑った。

「嫌じゃ……ないんだけど……」

だけど目の前にある、濡れたバーナビーの引き締まった体を生々しく見てしまうと、気恥ずかしさにどうにかなってしまいそうだった。
どうしていつも、こんなに気恥ずかしいのか。
今まで、何度もバーナビーと体を重ねてきた。
でも、確かに。
こうした、あからさまな場所での行為は初めてで。
だから虎徹は、たまらなく羞恥を感じてしまうのだった。

「虎徹さん……」

耳元へ囁いて、バーナビーが体をぴったりと寄せてくる。
ピタリと密着した互いの腰から、バーナビーの熱をダイレクトに感じた。
もちろん、こんな状態で止められる訳がないことも、十分わかっている。
だけど。
こんな風に、こんな場所で。
リアルなバーナビーの体を陰影から目を背け、虎徹は力の抜けた手でバーナビーを押しとどめる。

「……なあ……バニーちゃんのを、抜いてやるから……それじゃだめ……か?」

うっすらと瞳を閉じて、ゆるゆるとバーナビーへの熱へと手を伸ばそうとする。
その腕を、バーナビーが掴んだ。

「……バーナビー……?」
「だめですよ」

虎徹の瞳を見つめ、バーナビーはまだ何かを言いかける虎徹の口唇を、素早く塞いでしまう。
そのまましっかりとしがみつくように抱きしめて、ゆっくりと顔を虎徹の首すじへと埋める。

「あなたの……中に入りたい……」

くらりとする言葉が、熱く耳に囁かれた。

「だ……けど……バーナビー……」

尚も否定の言葉を紡ごうとする虎徹の腰に、バーナビーは自分の腰をますます密着させる。
立ちあがりかけている互いのそれを、くすぐるようにして合わせた。

「入りたいんです……」
「……ん……」

ゆっくりと上下にこすられて、虎徹は思わず甘い息を飲む。

「……だ……から……出すだけなら……いいって……」
「だめ、ですよ……」

微かに頬を染めながらそう言う虎徹に、バーナビーは頷かなかった。

「あなたの中に……入れたいんです」

甘く囁きながら、バーナビーは止められていた虎徹の手を軽くふりきる。
そしてそのまま、虎徹の奥の湿った場所へと、そっと長い指を滑らせた。

「ぁ……」

今までより大きな、甘い甘い声が漏れる。
艶かしくのけぞらせた、虎徹のしなやかな喉元に口唇を落としながら、バーナビーはそこを宥めるようにしてなぞる。

くすぐるような感じで何度かなでるたびに、虎徹はゆっくりと濡れた声を漏らす。

「……んん……や……」

湿った自分の声が、バスルームの中で反響して耳に伝わってゆく。
こうして聞こえる声は、信じられないくらい艶を含んでいて、虎徹は気が遠くなりそうになる。
オレンジの光りの下で、切なげに見つめてくるバーナビーを。
真正面に捕らえて、そのリアルさに頭がくらくらしてくる。
そして虎徹は、バスルームに飾られてある、大きな鏡に視線を走らせた。
バーナビーが壁際に自分を追い込めるようにして、抱きしめているのがバーナビーの肩越しに見える。
そして。
その鏡に映る、陶然と酔ったものをありありと浮かべている、自分の恍惚を浮かべた表情を信じられない思いで見た。
ブロンズ像のように綺麗な筋肉の隆起が見える、バーナビーの背中を抱くようにして。
うっとりとする、自分が見える。
それは、なんとも言えぬ淫らな顔だ。
互いの体の筋肉が、鏡の中にリアルに映る。
虎徹は現実と幻の境を失う、そんな感覚に捕らわれた。
何が、現実で。
何が、幻か。 

ピチョン……。

シャワーヘッドから水滴が零れ、それがやけに大きな音でバスルームに反響した。
ぼんやりとしてしまった虎徹の口唇に、柔らかにバーナビーが口唇を押しあてた。

「ん……っ……」
「虎徹さん……」

口唇を重ねたまま、バーナビーが名を呼んだ。
かすれた息が、敏感な口唇に触れる。
幻のように、リアルな。
現実なのに、どこか幻のような。
その幻に酔わされるように、虎徹はつぶやいた。

「俺が、欲しい?バニー……」

虎徹のしなやかな背中に手を回し、そしてますますぴったりと互いの腰を密着させて、バーナビーは低く唸るように言った。

「……欲しい、ですよ」

重ね合わさった熱を、優しく、激しく、こすり合わせる。
しなやかなラインを描く虎徹の腰を強く抱き、バーナビーは何度もそれを動かした。

「中で感じたい……熱くて……気が狂いそうになるくらい熱い……あなたの中に入れて……あなたと一つになりたい……虎徹さん……」
「……お前、あんまり恥ずかしいこと、言うなよ……っ」

恥ずかしさに上気しながら、虎徹は両腕をバーナビーの腰に回した。
完全に昂ぶったものを激しくこすり合わせる愛撫に、甘い快楽に支配される。
より一層身体を密着させて、虎徹は自分から腰を揺らめかせた。

「そんな台詞聞くと……か、感じちゃう……だろ……」
「……虎徹さん……」

冷ややかなバーナビーの美貌に、幸せそうな微笑みが浮かぶ。
それは虎徹だけにしか見せない、虎徹だけが許された微笑みだ。
そのままバーナビーは、背中を抱きしめて、ゆっくりと首筋に口唇を這わせていく。
荒くなってゆく息遣いは、虎徹の耳を心地よく刺激した。
そこが虎徹の感じやすいところだと知っているから、バーナビーは尚も口唇を近づけ、そしてそこをやわやわと吸い上げる。

「あなたの……中に入れて……いいですよね?」

バーナビーは虎徹の瞳を見つめ、甘い声でそう囁いた。
直接的なその言葉が、甘美な酔いにも似た痺れとなって、虎徹の身体を駆けぬける。

「……そんなこと……」

言えるわけねぇだろ、と。

僅かに残っている理性に、虎徹は気恥ずかしげに首を振る。
そんな言葉を、言わせないで欲しい。
だがバーナビーは、ますます甘えるように虎徹の顎に口唇を寄せ、そして虎徹へと腰を密着させる。

「あなたが言わないと、僕は入れられないですよ……」

こんなに、求めているのに。

バーナビーは自分の熱を訴えるように、虎徹へと押しつけた。

「……ば……か……」

いつもなら強引に、切り裂くみたいにして、中に入れるくせに。
いつもなら虎徹の言葉に耳もかさず、そのまま激しく突きたてるくせに。
懇願するように甘えた声で、虎徹に身体をすり寄せてくるバーナビーは、普段の姿とはまったく違う子供っぽさがあった。
全てを許した者だけに見せる、甘えた顔で。
年の割に大人びて、落ち着いた端正な容貌で、いつも冷めきった氷のような眼差しを持つくせに。
その口からでるのは、冷静で端的な言葉だけのくせに。
こうして虎徹と甘く睦み合う時だけ、バーナビーはまったく違う表情を見せる。
そうしたバーナビーを、虎徹はとても愛おしく思えた。
綺麗で孤独な、虎徹だけの。
綺麗な、綺麗な───虎徹だけの、ヒーロー。
すがりつくように自分を抱きしめるバーナビーに、虎徹はそっと口唇を寄せた。

「……一回だけしか、いわねぇぞ?」

小さく、笑みを零し。
バーナビーの手をそっと掴むと、自分の昂ぶりに導いて、虎徹はゆっくりと悩ましげに腰をくねらせた。
その姿態に、バーナビーのものが一段と熱を持つ。
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