ありすのお部屋
□バニーちゃんと虎徹さんが、お風呂でえ●ちする話
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つぅっ……と、焦らすような動きで、バーナビーの舌が丁寧に虎徹の敏感な脇腹のラインを舐め上げた。
「……ぁ……」
くしゃり、と濡れたバーナビーの髪を掴み、虎徹は細やかに体を震わせる。
「は……ぁ……」
シャワーブースと、そしてバスタブに分かれているバスルームに、虎徹のかすかな声が反響する。
自分の口唇から漏れてゆく声に、羞恥にうっすらと肌を染めながらも、虎徹はバーナビーによって高められていく快楽に、素直に従った。
一体、バーナビーの月のように冷たい美貌のどこに、こうした獣じみた欲望を潜ませているのだろうか。
バーナビーの口唇が、虎徹の敏感な乳首をゆっくりと含み、押しつぶすようにねっとりと舌を絡めた。
「……ん……んん……」
ピチャ……。
虎徹の肌を滑ってゆく濡れた音が、バスルームの水音と重なっていく。
すでにそうした外界の音は、まるで窓ガラス越しの世界のように遠い。
あるのはただ、内部からひたひたと押し寄せてくる、息苦しいほどの快楽。
一緒に、シャワーを浴びましょうか……?
バーナビーに、耳元でそう甘く囁かれ、普段であれば絶対に断るはずだった。
しかし。
バーナビーの部屋でさんざん酒を飲み、酔った勢いもあり、何も考えずに衣服を脱いで、湯の張られたバスタブにつかった。
最初は、こんな風にバスタブに男二人が向かい合って、なんて茶番だなどと、冗談めかして笑い合っていたのに。
ふと、伸ばした足が触れ合った瞬間。
互いの空気が、変わった。
バーナビーの冷たく整った美貌から、雄の欲望がうっすらと滲みでて。
「立ち上がって、ください……虎徹さん」
あらがうことの許さない、絶対的な声でバーナビーは虎徹に命令した。
そうしたバーナビーの声を聞くと、虎徹は何をされるのかもわからずに、従ってしまう。
素直に立ち上がり、バスルームの冷たい壁に寄りかかると、バーナビーも立ち上がり、虎徹の顔を両手で包み込んだ。
そらすことを許さない、まっすぐな視線で、虎徹を見つめる。
そして、あわせられる、冷たい口唇。
虎徹にそっと口唇を押しつけて、そのまま口唇のラインを、舌でたどる。
「……ん……」
そっと肩をすくめ、虎徹は瞳を細めた。
バスルームに、やけに二人の濡れた音が反響する。
舌が絡み合う体の中の音と、耳にやけに反響するその濡れた音に、虎徹は体を火照らせた。
「ふ……」
しばらく甘く舌を絡ませて、二人は口唇を離した。
ぼうっとする瞳まま、額を互いに合わせる。
そしてこすりあわせるようにして、互いの鼻先を合わせ。
また、口唇を軽く合わせる。
「……虎徹さん」
バーナビーが耳元に口唇を押し当てて、虎徹の名前を呼んだ。
「僕の体、洗ってくれますか……?」
「……バ……ニ……」
バーナビーに甘く囁かれて、虎徹はゆっくりと頷いた。
バスタブのふちに置いてあった、スポンジを取り。
それに石鹸をこすりつけ、ゆっくりと綺麗に筋肉のつくバーバビーの滑らかな肌へ、滑らせていった。
肩から二の腕、そして手首。
綺麗な形の鎖骨から、胸を滑り、引き締まった腹部へ。
腰からスポンジを滑らせて、バーナビーを抱きしめるようにしながら、背中を洗った。
「……っ」
ただ、虎徹に洗われているだけなのに。
優しい愛撫のような手つきに、バーナビーは甘い刺激に酔わされていく。
虎徹を抱きしめるようにしていたバーナビーが、その首筋に軽く歯をたてた。
「や……め……バニー……」
背中に回していた手を、すがりつくようにしてバーナビーの肩に回し、ひくり、と虎徹の喉をならした。
「ばか……やろ……洗ってる最中に、悪戯してんじゃねぇよ……」
「おや……どうかしましたか?」
「お……まえが、それを言うのか……よっ」
十分に潤んだ瞳で、バーナビーを睨み付けても、まさに逆効果としかいえない。
虎徹の羞恥を含んだ表情に、バーナビーは満足げにうっすらと笑いを浮かべ。
「今度は、僕が洗ってあげますよ……」
虎徹の耳もとに囁くようにして、バーナビーが口唇を押しつけた。
「……ん……」
耳触りのよいバーナビーの声が、耳の敏感な部分を、かすってゆく。
「僕が、綺麗にしてあげますよ……あなたを全部……」
「……バーナビー……」
バーナビーは長い指で石けんをとり、そのままゆっくりと優しく、ヌルヌルとした石けんで、らせん状を描くようにしながら、張りのある虎徹の瑞々しい肌を愛撫しはじめる。
「ん……くすぐたいって……バニー……」
「今に、気持ちよくなります……」
耳元に優しく囁き、バーナビーは右の乳首に石けんを押しつけ、乳首を石鹸で押しつぶた。
そして片方の指先で虎徹の左側の乳首をくすぐる。
「……ぁ……くすぐってぇよ……」
最初はひどく、くすぐったげにしていた虎徹だが、やがて吐息が熱く湿ったものへと変わってゆく。
「ん……」
虎徹の長い睫毛が、湿り気を帯びながらふるふると震える。
薄く開いた口唇は、バスルームの湿気だけではないものでしっとりと銀色に濡れていた。
バーナビーは、ますます執拗にツンと尖った虎徹の乳首を責め立てる。
淡く色づく乳首を、ぬるぬると泡だった石鹸で押しつぶし、転がす。
その感触がもたらす甘い快感に、虎徹は目を瞑り、首をゆるゆると振って逃れようとした。
「も……だめ……だっ……バニー……」
「だめですよ、こっちもしてあげないと……」
バーナビーのしなやかな指先が、うっとりとするほど優美な仕草で虎徹の反対側の乳首に石鹸を押し当てる。
先ほどまで繊細なバーナビーの指で充分に感じていた虎徹の小さな尖りは、石けんのたまらない感触により、ますます快感を深められていく。
「……や……ぁ」
甘い快楽に支配され、声が漏れてしまう。
「気持ちいいですか?……虎徹さん」
濡れた長い前髪の間から、怜悧な深い瞳が虎徹をみつめた。
長い指先が背中を滑り、慰めるように虎徹の髪に絡められる。
普段は感情を感じさせないバーナビーの声音は、どこかしっとりとした艶が滲んでいる。
虎徹を求めている、あからさまなバーナビーの欲望に虎徹はうっすらと瞳を細めた。
肌と肌を合わせ、体と体をつなぎ、そうして一つに溶け合う瞬間は、支配されるものと支配するものの不可思議な混沌の瞬間だ。
体の深い部分を犯され、バーナビーに支配される。
体の深い部分にバーナビーを誘い、そして、バーナビーを支配する。
「……あ……っ……」
その瞬間の深い悦楽を想像し、虎徹は体を細かく震わせた。
そうした虎徹の艶を浮かべる表情に、バーナビーはゆっくりと長い睫毛を動かして、薄い口唇を開く。
「もっと……気持ちよくしてあげますよ……」
「……や……だ……」
小さく首を横に振る虎徹をなだめるように、ピンと尖った乳首に、ヌルリとした石鹸が丁寧にこすってゆく。
じれったさと、不思議なくすぐったさと、そして痺れる快感。
思わず淫らな仕草で、虎徹の腰が揺れ動いてしまう。
「……ん……んん……」
まるでその言葉を肯定するように、虎徹はガクガクと細かに首を振り、ヌルリとした感触にたえる。
さざ波のような快楽に酔いしれ、虎徹は口唇をしどけなく開かせた。
それは咲きそめた、花のように。
柔らかな赤が、フワリと開いては閉じてゆく。
「……ん……あ……」
バーナビーの動きに合わせ、虎徹は口唇を震わせて、快楽の声をあげた。
「ここも……して欲しいですか?虎徹さん……」
耳元に口唇を近づけ、すっかりと上気した耳朶を優しく噛みながらバーナビーが囁く。
そのまま乳首に押し当てていた石鹸を、するりと虎徹の軽く立ちあがっていたそこへと滑らせた。
「ふ……ぁ……」
ヒクリと、体を震わせて虎徹は声をあげる。
長い指先と、ぬめる石鹸が微妙な感覚で、虎徹の敏感なそこに絡まりつく。
「……ん……」
急激に高められてゆく快感に、虎徹は腰をユラリと揺らめかす。
「……バニー……」
石鹸のぬめりにより、繊細な動きで虎徹のそこを高めてゆくバーナビーの指先に、虎徹は切ない声をあげる。
「どうしたんですか、虎徹さん……」
笑いを含む、バーナビーの低い囁きにさえ、虎徹は狂おしげに体を高ぶらせてしまう。
「……や……っ」
「どうして、欲しいですか?」
ゆっくりと虎徹の高ぶりに指先を絡めながら、バーナビーは自分自身の高ぶりを静かに重なり合わせた。