童実野高校Life
□呼び名
2ページ/3ページ
「ジャックよー、苗字呼びだと鬼柳が二人いるから紛らわしいだろうが。」
「だからちゃんと苗字の後に“妹”と…」
「名前の意味がないぞ、それは」
そういわれて、うっ…と押し黙ったジャックさん。
そんなに私の名前を呼びたくないのか、ショックだ。
「……別に呼んでもいいが、条件がある」
恥ずかしいのか、ボソッと呟くが、私はその言葉を聞き逃すはずがなかった。
「な、なんですか!?」
「貴様も俺の呼び方を改めろ」
…………え。
「呼び方って………ジャックさんって呼ぶの嫌だったんですか?」
ジャックさん…が駄目ならアトラスさん?
すると、違う!と声を張り上げて否定した。
「ジャック“先輩”と呼べ。」
「…………へ」
しーん、と部屋が静まりかえった。
数秒か、はたまた数分経って、ぷっ!と誰かが噴き出す声が聞こえた。
それを合図にどっと笑い声に溢れた。
「ぶっ…ぎゃははは!!ジャックお前何だよそれ!!!」
「ひゃ〜はは!!あ〜おかしい!!」
兄とクロウさんが腹をかかえて、ヒーヒー言いながらジャックさんを笑う。
笑いすぎて死ぬんじゃないか?ってくらいだ。
ちらりと遊星さんのほうを見れば、意外にも声を上げて笑っていた。