童実野高校Life
□呼び名
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放課後、いつものように私達は部室でダラダラとしていた。
そんな中、私はふとある事を思い出す。
「あの、思ったんですけど、ジャックさんと遊星さんはいつになったら私の事を名前で呼んでくれるのでしょうか?」
そう言えば、名を出された二人は私のほうに顔を向けた。
「なんだいきなり。」
ジャックさんに関しては眉を潜めていて、若干怖い。
「いや、今思い返してみれば、お二方は私の名前を一度も呼んだ事がないなーと思いまして」
まあ正確にいえば、遊星さんはちゃんと私の事を苗字で呼んでくれているけど。
「呼んでいるではないか!鬼柳妹と!」
「だからそれは名前じゃありませんって!!!」
私、最初に自己紹介したはずなのに………どういう事なんだ。
私の名前を何だと思っているのだろう。
はぁ。とため息をつくと、遊星さんがこちらにやってきて、私の肩にポンッと手をのせた。
それはまるで私を慰めてくれているかのようだ。
「すまない、やはり苗字呼びは嫌だったのか。これからは俺も奈々と呼ぶ事にしよう」
ゆ、遊星さん!!
やっぱり貴方は私の期待を裏切らない!!
「よし、ジャック。お前も奈々ちゃんの事名前で呼べよ。」
いつのまにか私たちの様子を見ていたクロウさんはニヤニヤしながらジャックにふる。
だけどジャックさんは相変わらず難しい顔をしていて。
「どうしたぁ〜ジャック!あ、お前まさか恥ずかしいのか!?キャハハハ!ウブだなぁジャックは!!ほら、お兄さんが名前で呼ぶのを許してやるんだ、ちょっと呼んでみな………痛ァァア!!」
「煩いぞ貴様は!!!」
あーぁ。自業自得だな、兄よ。ジャックさんをおちょくるなんて…馬鹿なやつめ。
ていうかジャックさんは京兄と違ってモテるんだからウブなわけないじゃん。