金銀小説

□涙
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「…………バカ野郎………」

写真を握り締め、オレは言葉汚く罵った

ラスティが戦場で撃たれた

ミゲルもニコルも撃たれ……

次はオレだったかもしれない


だが…次はディアッカだった

「貴様は嘘つきだ…」


「ずっと側にいる」と言ったのは……アイツなのに…


その時…

ポタリ…と写真に一滴の水滴が落ちた


「………!!」


もういない…
泣いているオレを優しく抱き締めてくれるアイツが…


「………大丈夫だ…オレは………大丈夫な………筈なのに………」


ラスティの死も、ミゲルの死もニコルの死も乗り越えてきた


「っ…………ディアッカぁ…」


不意に体から力が抜け…オレは床に崩れ落ちた



涙が止めどなく流れ落ちる


「…ディ…アッカ………」

ポタポタと、笑顔の写真に涙が落ちる

今はもう…どんなに泣いてるオレを支えてくれるアイツがいない

「…ディ………っ……ディ……」

立ち上がる気力も無く、床に座り込んで…名前を呼び続けた

1人きりの部屋は…オレの泣き声が響くだけだった

―――――

どれくらいの時間そうしていただろう…

…………………


「……駄目だ…ここで止まる訳にはいかないんだ…」

ゴシゴシと荒々しく服の袖口で涙を拭い立ち上がった

まだまだプラントには守らなければならない大切な人達がいる


そして


「ディアッカ…貴様の仇はオレが取ってやる…」


それまではまだ
オレは立ち続けなければならないんだ
こんな場所で崩れてはダメなんだ


今はただ…アイツと過ごしたプラントを守る為に

「オレは……戦う」


――――――――――


20111026☆完☆
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