金銀小説
□君と
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「??」
イザークは不思議そうにキッチンに近寄ると
チーンと電子レンジが軽快な音を立てて焼き上がりを告げる
「ちょ〜っとまっててね」
ディアッカは手にミトンをはめながら、電子レンジを開ける
その様子をイザークはワクワクしながら覗いていた
「イザークが前に食べたがってたフォンダンショコラ作ったんだ」
ジャーンと言わんばかりに出来立てのフォンダンショコラをイザークに見せる
「ちょうど3時だしおやつにしよ?」
「あぁ」
甘いものに目の無いイザークは嬉しそうに頷いた
「てっきり…出掛けたと思ったぞ…」
フォンダンショコラに甘さを控えた生クリームを添えるディアッカにイザークは後ろから問い掛けた
「え〜だって、イザークがいないのに1人で出掛けても楽しくないでしょ?」
粉雪の様な真っ白な砂糖をサラサラと振り掛けながら、ディアッカは然も当たり前の事の様に言ってのける
「……」
「イザークは紅茶はアッサム?ダージリン?」
「ダージリンのミルクティーだ」
イザークはそれだけ言い終えるとクルリと向きを変え、いそいそとテーブルに着いた
「はーいお待たせ☆」
テーブルに2人分の甘い甘いフォンダンショコラと、ディアッカ特製のミルクティーと、自分用のブラックコーヒーを並べる
「いただきます」
パクりと口に運ぶとイザークが好む甘さが広がった
美味しいとは言わないけれど、ディアッカはそんなイザークの表情を見れば一目瞭然だった
「……ディ…」
「ん?」
「食べ終わったら買い物にいく…その後、夕食も外でたまには食べてもイイぞ……」
言い終わると再びショコラを口に運んだ
「え?」
「ちょ…ちょうど本屋にも行きたかったんだ!!そのついでだ!!」
口早に告げると「もうひとつ」とペロリと平らげた皿を差し出された
「うん…わかった…本屋にも行こうね」
ディアッカはフワリと優しい笑顔をイザークに向け、皿を受けとった
―――――――
2人で過ごす休日は
出来ればずっと君の側にいたい
一番落ち着く場所は君の隣だから…
20111010☆完☆