金銀小説
□君と
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部屋がシンッ…………
と静まり返っている
「…………………」
イザークは眉を潜め眉間にシワが寄った
寝室からディアッカを追い出して1時間弱
集中していたはずの読書が止まった
「………………」
ムクリとイザークは立ち上がりベットを下りた
ガチャリ…と寝室の扉を開く
廊下も静まり返っている
「チッ…」
イザークは軽く舌打ちをしながら、階段を下りる
玄関を見ると、そこには見馴れた靴が二足…仲良く並んでいた
「あいつ…出掛けなかったのか…」
いつもなら、休暇ともなればベッタリと離れないディアッカが…今日は部屋を追い出してすっかり姿を見せなかった
てっきり不貞腐れたまま外出したのだと思ったイザークは、無意識にホッとした表情をした
そのままリビングの扉を開けると
「イイにおい」
フワリと香ばしいチョコレートの香りがリビングいっぱいに広がっている
「あっ!!イザークちょうどよかった」
扉の開く音に気が付いてキッチンのカウンターからひょこりと顔を出したディアッカが嬉しそうに笑った