金銀小説
□黄昏の想い
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「ミゲルが2人を心配してたけど…今の2人見たら安心するだろうな」
「………」
ハイネは顔は笑っているが…どこか遠い目をした
「オレは…」
少しの沈黙の後、イザークが話し出した
「アイツに恥じない生き方をしたい…と思っていますから」
凛とした瞳でハイネを見る
「だな…」
その横で相槌を打ったディアッカはイザークに優しい眼差しを送った
「お前ら…」
ハイネは少し驚いた表情をした
戦争をしていたあの、ヴェザリウスにいた時に出会った刺々しい雰囲気では無い、穏やかな2人の間に流れる空気感
(大人になった………って事なのかな…)
十代で戦場に立ち、動乱の世界に生き、仲間との死別や別離…
そして…本当に信頼出来る仲間の存在
「お前達が羨ましいよ…お互い信頼しあってるってのがよく分かる」
ハイネはイザークとディアッカを見比べた
「オレは…自分の部下は、コイツに限らず、信頼している。」
「まぁ〜オレ的にも信頼してない隊長には命預けて戦えないしね」
イザークは憮然と言い放ち、ディアッカは苦笑を浮かべる
「そうだな…オレにもいたな…そんな部下が…」
ハイネは瞳を閉じて、彼の人を思い描いた
嘗て、自分をひたすら尊敬し、憧れの眼差しを向ける一途な存在
自分のパーソナルカラーを自らのMSに施した…
(ミゲル…………オレはそんなお前を裏切った)
「………」
イザークとディアッカもハイネと同じく、亡くなったミゲルを思い出し、口ごもった
だが、そんな空気を変えたのは他ならないハイネだった
「で?2人はまた直ぐ宇宙?」
ハイネな何かを打ち払う様に努めて明るく振る舞う
「え…あぁ…74時間後にはまた宇宙だ」
イザーク慌てて答えた
「そうか…オレはこれから地球だよ」
やれやれ…とハイネは首を振った
「地球…」
イザークは何気なく呟く
「なぁ…イザーク…嫌…ジュール隊長」
「?」
突然、改まったハイネの声