金銀小説
□変わらぬ未来
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数日前、俺とディアッカが住むマンションに一通の手紙が届いた
「師匠からだ!」
手紙を見るなりディアッカの顔が満面の笑みを浮かべる
「師匠?」
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『変わらぬ未来』
「そう!オレの日舞の先生!イザークもよく遊びに来てたから覚えてる?」
「あぁ!」
オレは懐かしい名前に驚きと感嘆の声を漏らした
ディアッカは金髪紫眼の上、健康的な褐色の肌
しかし…父タットの影響で子供の頃から地球の日本贔屓……特に日舞は自ら習う程精通していた
「オレが軍に入って辞めちゃったから…もう5年くらい前に会ったきりだな〜まだ師匠オレを覚えててくれたんだー」
ディアッカは懐かしそうに瞳を細めて嬉しそうに封筒を眺めている
「手紙…何だって?」
「えっ?あぁ〜えーっと…」
いそいそと手紙の封を開ける
オレはソファに座りディアッカが先程入れたミルクティーに息を吹き掛けながらその様子を見ていた
「あっ!師匠、新しくまた日舞の教室を開くから、良かったらまた習わないかだって。」
ディアッカが驚きと共に喜びの声を上げる
「ふーん……………どうするんだ?」
冷ましたミルクティーを飲みながら尋ねた
「ん〜でも、仕事忙しいし…今は辞めるよ…師匠がいまでも日舞教えてるって解っただけで嬉しいし」
「習えばイイじゃないか…」
オレはポツリと呟く
「え?」
「別に、毎日行く訳じゃないだろうし…息抜きにはイイんじゃないか?」
「マジ?」
「オレがこんなこと嘘言っても仕方ないだろ」
「じゃ…本当にイイの?」
「嫌なら…ムリに行けとはいわん」
ディアッカは勢いよく首を横に降る
「嫌な訳ないじゃん!!イザークありがと!!愛してる!!……さっそく連絡してみるよ!!」
そう余分な事を付け足して言うとニコニコと手紙に書かれた連絡先に電話をかけていた
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