金銀小説
□涙
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アイツがMIAと認定された
遺体やバスターの残骸は…未だに発見されていない
だが…捜索は打ち切りになった
同室のオレに、荷物の片付けが任された
(仕方ない…戦争だ…)
オレ達は戦争をしているんだ…
箱の中に荷物を詰めていく
「…フンッ……くだらない物ばかりだな…」
生地のほとんど無い水着を着て、安っぽい笑顔でページを飾るグラビア雑誌
待機時間の暇潰し用の携帯ゲーム機や音楽プレイヤー
どこかの女から貰ったらしい…愛が告げられた手紙………
軍から支給された、趣味の悪いタオルやシャンプーは全て処分する
エリートの証であるザフトレットの制服も畳んで箱に詰めた
オレは淡々と荷物を片付ける
「ディ…貴様が……オレに片付けさせるとはな」
毎度……片付けはディアッカの仕事だった筈だ
「……ん?」
机の引き出しを開けると、数枚の写真を発見した
アカデミーの卒業式でアスランやニコル…ラスティ達と撮影した物と…
「……………これ…」
幼い頃、ディアッカと2人で撮影した写真だった
「確か…エルスマン家が所有する別荘に招待された時に…」
エルスマンの別荘を背景に写真の中のオレとディアッカは無邪気な笑顔で……手を繋いでいた
「ディアッカ…貴様も…かわいらしいじゃないか…」ハハ……と笑が込み上げる
何時も何時も…オレを「可愛い」と形容するアイツ
だが、写真の中のディアッカは……本当に愛らしかった