金銀小説

□傷痕
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「ディアッカ、今日は何か予定はあるのか?」


戦後も半年たったある日、久しぶりにイザークと共に休暇がとれた

オレは朝食の準備をしていた手を停めた


―――――――――――

『傷痕』


「ん〜久しぶりに2人で休みとれたんだし、どっか行く?」


イザークに問いかけるが、その表情はあまり芳しくない

「嫌?」
イザークは首を軽く横に降ると

「今日は………………行く場所がある」


「えっ?そうなの?」


「あぁ…」

「どこ?」

あまり外出を好まない、インドアなイザークが珍しく行きたい場所があることに


「………病院」


「えっ?イザーク体調悪いの?」

オレはイザークの意外な外出先を聞いて焦る

確かに戦後の事後処理で最近忙しさが増していたが………


「…………違う……体調はイイ…」


「あっ…そうなんだ…良かった…だったら誰かのお見舞??」

イザークの体調は悪くない様でオレは安心する


だが、またプルプルと頭を横に降った

「?」

「手術だ……」
「?手術?誰の?」

先程からイザークは歯切れが悪く、オレは不審に思った

だが少し間が空いて
「…………オレだ…」
とイザークが呟く


「……え?だって…今、体調はイイって…」

オレは言っている意味が理解出来ず戸惑う

「あぁ…体調は関係ない」

「ん?」


「これだ…」

トンとイザークは人差し指で………

顔にある傷を軽く叩いた




――――――――――
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