金銀小説☆拍手☆

□拍手(2012年6月12日まで)
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医務室のベットに眠る君の姿は痛々しく……

顔の半分を包帯が覆っている

高性能のパイロットスーツとヘルメットのお陰で体と頭に損傷は無かった


幸い、目にも異常は無く…
只唯一、その美しい顔の中心に惨めで、残忍な傷を負ってしまった

その傷も、今後治療を施せば治ると医者は言っていた

今は手術の為に施した麻酔で眠っている


静かに眠る顔を見ながら、点滴の針が刺さった腕を苦々しく睨んだ

「イザーク……」


真っ白で細く長い綺麗なイザークの手を握った


あの時……ストライクとの交戦中、イザークの側を離れなければ守れたかもしれない

(肝心な時に側にいれなかった………)


ぎゅっ…とイザークの手を握り締めた


いっそのこと

傷が数センチずれて……その蒼く燃え上がる瞳が光を失えばよかったんだ

パイロットスーツが破損して体が動かなくなれば…

ヘルメットが大破して二度と目が覚めなければ…

イザークを戦場へ送りだす事は無くなる


目の見えない君を
体の動かない君を
意思の無い君を

一生オレが側にいて守っていくのに


(オレ…かなり病んでるな)

「…………んっ…」

イザークが痛みに顔を歪ませ、徐々に意識を取り戻し始めた

後数分もすれば、目を覚まし………暴れ始める

『ストライクはどこだ!!』

きっとそう言って、暴れ狂う

復讐を誓って……狂乱に荒れ狂うだろう


再び手を握り、オレはゆっくりと包帯が巻かれた顔に唇を寄せた

暖かなイザークの体温を感じる


静かに唇を離すと、一瞬の静寂が流れる


再び赴く戦場を今は忘れて

再び口付けを交わした

☆完☆
20120612まで

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