金銀小説☆お題☆
□01.鼓動☆完☆
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君のいない世界なんて…死んでいるのと同じだ
君の鼓動を感じると、安心するんだ
まるで子守唄の様なその鼓動はオレの唯一の生きている証
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『鼓動』
真っ白いシーツの波間に生まれたままの姿で交わる2人
オレは抱き締められる形でイザークの胸にぴたりと寄り添っていた
まるで、聖母マリアに慈しまれる子供の様に…
イザークのその白く長い指がオレの髪を撫でている
耳元では、そんな彼のトクントクンと何時もより若干早めな心臓の鼓動が聞こえる
(…幸せ………)
オレはその鼓動を聞きながら瞳を綴じると、自らも、イザークの背中に腕を回して抱き締めた
「ディ…今日はどうしたんだ?やけに甘えるな…」
クスクス笑いながら、甘く優しい声がオレの鼓膜を振るわす
「ん…別に…」
「ふぅーん…」
甘えるのに理由なんかない
ただ世界中で一番大切で愛しい存在を全身で感じたいんだ
知り合って20年以上…
好きだと気付き、気持ちが通じ合って10年以上…
それでも、今のイザークが一番愛しい存在
昨日よりも、今日の方が愛しい
きっと、今日よりも明日の方がもっと愛しい存在になるんだ
「イザーク…愛してる」
「しってる…」
ギュっと抱き締め、イザークの胸に子犬が甘える様にすり寄る
イザークもやんわりと、オレの首筋に腕を回し抱き締め返してくれた