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□Unclear
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「……また、君ですか」

薄暗い部屋の中。

古びたソファーに腰を掛けながら、六道骸は呆れたようにため息を吐いた。オッドアイの瞳を、部屋の入り口へと向けて。

そこには、一人の小柄な少年が立っていた。

「ご、ごめん……ケガの具合、どうかなって思って」

少年……沢田綱吉が、気遣うように、だが躊躇いがちに口を開く。


数週間前、ツナ達はD.スペードとの闘いで、かなりの傷を負った。特に、骸はデイモンに身体を乗っ取られ、ようやく解放された頃には酷い重症だった。

ツナ達は何とかデイモンを倒し、平和な日常に戻ったのだが……。

「その…ケガしたの、俺のせいだし……」

デイモンを倒すためとはいえ、ツナは骸の身体に攻撃をして、大きな傷を負わせてしまった。それがずっと気掛かりで、それからというもの、ツナはちょくちょく黒曜ランドを訪れては、他の仲間には内緒で骸に会っていたのだ。

「……ですから、怪我はもうほとんど完治したと言っているでしょう」
「でも……!」

入り口を少し入った所で突っ立ったまま、遠慮しているからかそこから近付こうとはしないツナに、骸はぶっきらぼうに返す。

確かに、あれだけの大怪我が嘘のように、骸の身体は何ともないように見える。幻術を使っているからなのか、何か特別な治療を受けたからなのかは分からないが。

それでも、心配なものは心配な訳で……ツナはまだ窺うように、骸をじっと見つめている。

「……はぁ」
「っ……」

すると、骸が再び大きなため息を吐いて、ゆっくりと立ち上がった。そのままこちらに向かって歩いてくるので、ツナはびくりと身体を強ばらせる。

「全く、君も変わってますね。敵である僕の心配をして、こんな所までのこのこと一人でやってきて」
「っ、だって……」

やがて骸は目の前で立ち止まると、スッと細めた目でツナを見下ろした。


骸は一応ツナの霧の守護者なのだが、かつてツナ達を襲った敵であり、今もツナの身体を狙っている。敵なのか味方なのか分からない存在だ。

それなのに、ツナは骸のことを自分のことのように心配する。

骸は、そんなツナの考えが理解できなかった。

「骸には、いろいろ助けてもらったし……」

理解できないと同時に、何だか苛々とした。

「……呑気ですねぇ。今この瞬間に、僕に身体を乗っ取られるかもしれないのに」
「っ……!」

スッと、どこからか取り出した三叉槍をツナに向け、その細く白い首筋に突き付ける。

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