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□Finder
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「んぁぁっ…!ふぁっ、ぁぅぅっ…!」
どこか殺風景な部屋の中に、その場には似つかわしくない、艶やかな声と濡れたような音が響く。
無機質なコンクリートの床の上には、カッターシャツを一枚羽織っただけの小柄な少年が、二人の大人の男に覆い被せられて、あられもない声で喘いでいた。一瞬女の声かと思ったそれは、まだ変声期を迎えていない少年のものだったらしい。
男の一人が、半裸に剥かれた少年の身体を舐め回し、丸出しになった下半身には、もう一人の男のグロテスクな肉棒が深く突き刺さっていた。あまり慣らさなかったためか、少年のそこは切れて血が流れている。
「あぁんっ…ぁっ、ひぁぁ……!」
男の舌が敏感な部分を嬲たびに、激しく腰を打ち付けるたびに、少年の口からは甘い嬌声が上がる。瞳は涙で潤み、頬は上気して、その表情は完全に蕩けているようだった。
「ふぁぁっ…ぁっ、ひぅっ…!」
「可愛いねー。ほら、綺麗に撮れてるからさぁ、こっち向いて……?」
「や、だっ…ぁぁぁ…!」
部屋の中にはもう一人別の男がいて、二人の男に蹂躙される少年の姿を、にやにやと笑いながら、手に持ったハンディカメラで撮影していた。
どうしてこんな状況になったのか。
少年……沢田綱吉は、無機質なレンズに快楽に歪む表情を映しながら、ぼんやりとそう思った。
***
何の変哲もない、いつもの日常の、いつもの放課後。
学校が終わって、下足室で部活に行く山本と別れ、帰り道の途中で獄寺と別れ、ツナはいつものように帰路に着こうとしていた。
すると、あと少しで自分の家が見えるという所まで来て、道の脇に一台の車が停まっているのに気が付く。窓が黒いので、車の中の様子は全く見えない。
ツナは何も気にすることなく、その車の横を通り過ぎようとした。
だが、車のすぐ側を通った時、突然ドアが開いて、中から二人の男が降りてきた。そしてツナが驚く暇もなく、近付いてきた男達に口を塞がれ、一瞬で車の中に引きずり込まれてしまったのだ。
そこからの記憶は曖昧で、いつの間にか意識を失ってしまい、目が覚めるとこの部屋にいた。
家具も何もない狭い空間で、唯一の窓はシャッターが下ろされているので、外の様子は分からない。ここがどこなのかも、全く分からなかった。
(な、何がどうなって……これって、もしかして…ゆ、誘拐……!?)
気が付いた時には両手を後ろ手に縛られ猿轡を噛まされていて、ツナは完全にパニックに陥っていた。