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□Lesson:1
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これまで何とか己の欲望を抑えていたのだが、もう我慢できそうにない。
ただでさえ、この前久しぶりに会った時、ツナの周りには自分と同じような目で彼を見ている男達がたくさんいた。父親として、一人の男として、自分の愛する、可愛い息子の身が心配だった。
幸い、今は家にツナと二人っきり。
天然で鈍感な息子が、どこぞの発情した野獣のような輩に襲われる前に、
からかう振りをして、上手に嘘を吐いて、手を出してしまおうか。
「も、放せって…!」
ツナが何とか拘束から逃れると、家光がその顔を覗き込んだ。
「んー?ツナ、しばらく見ねぇうちにずいぶんと色気付いたなぁ。好きな子でもできたか?」
「はぁっ?色気って…男に何言ってんだよ……」
「そうかそうか、ツナもそんな年頃かぁ」
家光はリビングのソファーにどっかりと腰を下ろすと、ツナを無理やり隣に座らせた。
「ちょっ…!」
「よぉし、じゃあ男として恥ずかしくないように、父さんが付き合った女の子との接し方をいろいろ教えてやろう」
「なっ…い、良いよ別に……!」
そ、それに京子ちゃんにはまだ片想い中だし…京子ちゃんは俺のことなんか何とも思ってないだろうし……俯いて心の中でぶつぶつ呟くツナは、家光の目が怪しく光っていることに気付いていない。
だから、一瞬何を言われたのかも分からなかった。
「じゃあ、まずは上手なキスの仕方から教えてやるか!」
「は…?」
今何て言った?と聞き返そうとして顔を上げると、いつの間にか家光の顔が近付いていて、
「え……んむっ!?」
目の前いっぱいに父親が広がったかと思うと、唇を塞がれていた。
家光は、何が起こったのか分からず目を見開くツナのふっくらした唇に吸い付き、薄く開いたそこに舌を忍び込ませる。
そこでようやく、ツナは自分の父親にキスされているということに気が付いた。
「んっ!?んんんー!?」
(なっ、何だよこれ!?何で俺、父さんにきききキスなんか…!)
パニックになって暴れだすツナの腕を捕えて、家光はさらに深く口付ける。驚いて引っ込んでしまった舌を引きずり出し、絡め取って弄ぶ。
呼吸を許さないほど口内を激しく掻き回すと、抵抗していたツナの身体からだんだん力が抜けていった。
「ん、んふぅっ…ふ、ぅん…!」
苦しいのに、気持ち良い。頭がぼーっとして、どんどん蕩けていく。
ようやく解放された頃には、ツナの頬は赤く色付き、瞳をとろんとさせてぐったりとしていた。