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□Hunting
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初夏の夜。いくら日が長くなったとはいえ、この時間帯になると夕日もすっかり沈み、真っ暗な外を照らすのは月と街灯の明かりのみ。

人気がなく辺りが静まり返る中、その男はいた。暗い公園の木々の間に身を潜め、腹を空かせた肉食獣のように、獲物が来るのを今か今かと待ち望んでいた。

狙うのは、近くにある中学校に通う、とある一人の男子生徒。
数ヶ月前、たまたま見かけたその生徒に男は一目惚れし、堪らなく欲情を覚え、朝と夕方いつもこの公園で彼が登下校するのをこっそりと眺めていたのだ。普段は友人が一緒にいて手を出すことはできなかったが、いつか自分のものにして、激しく抱いてやろうとチャンスをうかがいながら。

そして今朝、彼が登校する時に、放課後補習があって帰りが遅くなるので、先に帰るよう友人に言っているのを聞いてしまった。
聞いた瞬間、心拍数が跳ね上がるのが分かった。

男はずっと待っていたのだ。その生徒が一人になるその時を。


***


「はぁっ…はぁっ……」

しんとした辺りに、男の荒い呼吸が響く。

しばらくして、公園に面した道路の向こう、中学校のある方向から、制服を着た一人の男子生徒がやってくるのが見えた。暗くてまだはっきりと姿は見えないが、男にはそれが待ちに待った少年だということがすぐに分かった。
思わず喉がごくりと鳴る。

それは、夏服であるカッターシャツとスラックスを身に付けた、小柄な男子生徒だった。暗くなるまで補習を受けていたからか、疲れ切った顔をして、とぼとぼとこちらに向かってくる。

薄茶色のふわふわした髪に、それと同じ色の大きな瞳。身長が低く、とても華奢な身体付きをしている。

髪が長ければ、女の子と間違えたかもしれない。そのくらい、少年は可愛らしい姿をしていた。


沢田綱吉。通称ツナ。並盛中学校に通う二年生だ。

ツナは、自分を狙う不埒な気配があるのも知らずに、無防備にこちらに近付いてくる。まさに哀れな草食動物だった。

「はぁ、お腹空いたなぁ……」

男に全く気付くことなく、ツナが公園の近くを、男が隠れているすぐ側を通り過ぎようとする。

男はツナが自分の横を通過した瞬間、公園から飛び出して素早く背後へ近付いた。そして、気付いて振り返られる前に、後ろから大きな手でその口を塞いだ。

「んぅっ!?」

突然のことに驚き強ばる身体を羽交い締めにして、あっという間に公園の中へ引き摺り込む。

「んんっ!ふっ、んぅーっ!」

我に返ったツナが慌てて暴れだすが、大人と子どもでは力の差は歴然だ。ただでさえ男の身体は大きく太っていて、小さなツナは簡単に押さえ込まれてしまう。

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