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□Little princess!
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ツナは、自分を囲んで言い争いをしている守護者達を、どうしようとあわあわしつつも、大人になってさらに格好良くなった彼らに見惚れていた。その上、間近で話しかけられたり、頭を撫でられたり、微笑みかけられたりすると、心臓がものすごくドキドキしてしまう。
イケメンパラダイスすぎて、ここはどこのホストクラブだと思ってしまうほどだった。
(皆、何でこんなにカッコいいんだよ……!)
すると、黙って俯いてしまったツナに気付いた獄寺が、心配そうに顔を覗き込んできた。
「十代目?お加減でも悪いんですか?」
その言葉に守護者全員の視線が集まって、さらに獄寺に熱くなった頬を触れられて、ツナはますます顔を真っ赤にして縮こまってしまう。
「ち、違うよ…けど、皆があんまりにも格好良くなってて…その、見つめられると、恥ずかしいっていうか……」
「「「っ……!」」」
耳まで赤く染めて、横抱きにされたままもじもじする幼い姿のツナに、周りの男達が一気に欲情を煽られてしまったのは言うまでもない。
「……なぁ」
「ああ……」
全員が顔を見合わせて神妙に頷いたかと思うと、急にドアに向かって歩きだした。もちろん、ツナは雲雀に抱かれたままで。
「えっ、えっ…?ど、どこ行くの……?」
開け放ったドアの向こうは長い廊下が続いていて、訳が分からず戸惑うツナに構わず、男達はスタスタと、むしろ競歩並みのスピードで通路を進んでいく。
やがて、通路の途中にあった階段で何階か上まで上がり、いくつかの部屋を通り過ぎると、一番奥の部屋の前にたどり着いた。
先頭にいた山本がドアを開けて、全員がぞろぞろと中へ入っていく。
中は、広いがさっきの落ち着いたオシャレな部屋とは異なり、ベッドやソファーなど、シンプルなデザインの家具の置かれた、割と質素な部屋だった。
誰の部屋だろう?とキョロキョロしていると、雲雀が奥に置かれているベッドへと真っ直ぐに向かった。そして、ツナをシーツの上に優しく下ろす。
そこへ、当たり前のように集まってくる守護者達。
「な、何…?何するの……?」
皆優しい笑みを浮かべて見下ろしてくるのに、その目はどこか熱っぽいというか、何か滾るものを秘めていて、ツナは思わずベッドの上を後退る。
と、骸がくすりと笑って、その細い足首を捕えた。
「わっ…!」
「そんなに怖がらなくても大丈夫ですよ。せっかく十年後の世界に来たのですから、皆で貴方を可愛がってあげようと思っただけです」
「本当は僕一人で良いんだけど、まぁ今回だけは特別に許すよ」
「っ…!」
雲雀がふぅ、とため息を吐いて、だがどこか楽しそうに、ツナの太ももをするりと撫でた。