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□Little princess!
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「えっ……?」

気が付くと、そこは見知らぬ場所で。

「う、そ…何で……?」

良く知っている、けれどいつもと何かが違う面々に囲まれていた。


***


とある休日のお昼下がり。

いつものように、ツナの家には親友の獄寺と山本がいて、皆で宿題をしたりゲームをしたり、俺様な家庭教師の無茶な思い付きに付き合わされたりしていた。

そこへ、これまたいつものように居候のランボとイーピンが乱入してきて大暴れ。
怒った獄寺とリボーンにしばかれたランボが、泣きながら十年バズーカを取り出して、自分に向けて撃とうとしたら、うっかり手を滑らせてしまって……。


ボフンッ!

「うわっ!」

大きな音とともに身体に強い衝撃が走り、ツナは白煙に包まれていた。

「げほっ、げほっ…!もーっ、危ないだろランボ!」

咳き込みながら怒鳴るも、辺りの雰囲気が少し変わったことに気付いて首を傾げる。

「十代目っ!?」
「ツナ…?」

煙の向こうから、ツナを心配する獄寺と山本の声。だが、その様子がさっきとは違う。

「え……?」

煙が晴れると、そこは今までいたツナの部屋ではなかった。

執務室のようなその空間は広く、壁やカーペット、照明などに落ち着いた色合いのものが使われている。品の良い調度品やアンティークなどもいくつか置いてあり、部屋の中央には革張りのソファーが、背の低い机を挟んで向かい合うように置かれていた。

そして部屋の中には、ツナの良く見知った、だがいつもとは異なる雰囲気の男達がいた。
それは、日頃からツナの周りを何かと騒がせてくれる守護者達だったのだが……。

まず、ツナの一番近くにいるのは獄寺で、中央のソファには山本と了平、ランボが座っている。そして、部屋の壁に寄り掛かかるようにして立っている雲雀と、同じように入口付近に腕組みをしながら佇んでいる骸。

全員、普段見慣れている姿ではない。身長が高くなって、表情も雰囲気もずっと大人びている。ランボなんか、すっかり成長してツナよりも大きい。
そして、皆漆黒のスーツ姿だった。

(も、もしかして……)

どう考えても、ここは十年後の世界で。

(お、俺……十年バズーカに当たっちゃったのぉぉっ!?)

突然十年後の世界に飛ばされて、パニックに陥るツナ。だが、守護者達も驚いたように、ツナの姿をを凝視していた。

すると、

「うわ、マジで十年前のツナか?すっげぇ可愛いのな!」
「わぁっ!」

いつの間にソファーから移動してきたのか、すぐ近くで明るい声がして、山本に頭をぐしゃぐしゃと掻き回されていた。

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